お金を増やしたいなら積立型保険はやめよう⑤ 〜変額保険〜

古田島 三和
by 古田島 三和
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インフレに対応できる保険商品ならいいの?

これまで
お金を増やしたいならインフレに対応できない利回り1%もない積立型保険商品はやめましょう
と話してきました。

終身保険、学資保険、個人年金保険、いずれも利回りにすると1%もなかったですよね。

それでは積立型保険商品でもインフレに対応できる商品だったらいいんですよねという声も聞こえてきそうなので、今回は保険商品の中でもインフレ対応ができるであろう「変額保険」について取り上げていきます。

何を隠そう、海外金融商品をご紹介できるようになるまで弊社では変額保険をオススメしていました。

なのでお客様の中には変額保険に加入している方がたくさんいますし、そんな方々にとってみたら話が違うではないかと思われる方もいらっしゃると思います。

しかし、ここでは事実をお伝えしていきます。

変額保険とは

まず、変額保険とはどういう商品かご説明します。

生命保険文化センターの説明を引用すると、

変額保険とは、
運用実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険です。

支払った保険料の一部を株式や債券などで運用します。
その運用実績によって保険金や解約返戻金が変わるので「変額」というわけですね。

変額保険は大きく分けて2種類あります。
・有期型:保険期間が一定期間(○年間、○歳まで)
・終身型:一生涯保障が継続する

今回は弊社が以前扱っていた有期型で説明していきます。
有期型の変額保険を図にすると、下記のような形です。 

変額保険はこれまでお話ししてきた終身保険や学資保険、個人年金保険と違って、何年後に解約返戻金がいくら戻ってくるか、金額が決まっているものではありません。
最低保証金額というものはありません。

これまでお話しした3商品は保険会社が何年後に解約したらいくらというものを約束していますが
(保険会社が運用してお客様に解約返戻金を出している)
変額保険は契約者が選択した運用対象(特別勘定と言います)の成績によって、保険金や解約返戻金が変わります。

つまり、運用が好調なら解約返戻金が大きく期待できるし、運用が不調ならご自身が出した金額よりも解約返戻金が減ってしまう可能性もあるということです。

変額保険の仕組みについて、具体例で説明していきます。

目的:60歳以降の老後資金を準備したい。
契約者:30歳女性

【変額保険】
死亡保険金額(基本保険金額):1,400万円
保険料を支払う期間:30年
毎月の保険料:30,380円

死亡保険金額は1,400万円という契約なので、契約期間中亡くなった場合は1,400万円の死亡保険金が給付されます。
しかし、もし運用が好調で解約返戻金が死亡保険金額を上回った、
例えば解約返戻金が1,500万円になった場合は死亡保険金額も1,500万円になるという特徴があります。
これは、これまでお話ししてきた3商品にはない特徴です。

支払った保険料を何で運用していくかは、保険会社が用意した特別勘定の中から契約者が選択します。
といってもご自身で選べる方は少ないので、契約時に担当しているFPなどがこちらがおすすめですよと話したものを皆さん選択されています。

実は私が初めて保険に入った時に加入したうちの1商品がこの変額保険でした。
当時どれを選択すべきかわからなかったので、担当のFPさんに言われるがままのものを選択していましたね。
(本当にこれでいいのか、後になってメールで確認していた履歴も残っていましたw)

この特別勘定は、保険会社によって内容が変わります。
ただし、ざっくりとした分類は同じものが多いです。
バランス型、積極型、日本株、外国株、新興国株、債券などなど。

例えば弊社が扱っている変額保険は10個の特別勘定から選択することができます。
10個の中から1つを選択してもいいし、複数個を合計100%になるように組み合わせることも可能です。

あれ?
なんか聞いたことある仕組みだなと思った方もいるかもしれません。

そうです、確定拠出年金と同じ仕組みなのです。
用意された中から運用するファンドを選択するというのは確定拠出年金と同じですね。

なので、変額保険とは死亡保障がついた確定拠出年金とも言えます。
(あくまでもイメージであり正確な表現ではありません。ご了承ください。)

確定拠出年金との大きな違いは

・死亡保障がついている
 (確定拠出年金の場合、運用が不調の時に亡くなると、払った額よりマイナスの状態で遺族に遺される)
・積み立てた金額より解約返戻金がプラスになった時にやめてもいい
 (確定拠出年金は60歳まで絶対にやめられない)

といったところでしょうか。
細かく言えばもっとありますが、大枠で言うとこの2つです。

利回りという言葉に騙されてはいけない

選択する特別勘定によって運用成績が変わるのが変額保険ですが、じゃあ実際はどのくらいなのかが気になるところですよね。

特別勘定は投資性のあるものがほとんどですから、絶対にこの金額になるという保証はありません。

しかし、投資では過去の成績から未来を見ていきます。
株価が上がったり下がったりしながらも大体このくらいの成績だったというのを見ていきます。

私たちは投資に関して「海外」をお勧めしています。
その理由は私たちが運営している会員制海外投資クラブ(通称:ICC)の中でお伝えしているのでここでは割愛しますが、
変額保険の特別勘定も「海外」の株式を選択することをオススメします。

某メーカーの特別勘定の中の外国株式は「MSCIコクサイ」をベンチマークとしているので、MSCIコクサイの運用実績がどうなのかを見ていきます。

MSCIコクサイ index

MSCIコクサイindexは5年平均で11.39%、10年平均で10.33%です。
(2020年9月30日時点)

もちろん、今後も続くかどうか絶対ではありませんが、
いろいろな危機を経ても平均10%くらいを出しているというのは一つ参考になるのではないでしょうか。

つまり、変額保険の外国株式で運用していけば、
絶対ではないにしても、10%くらいの利回りを見込んで運用していけるということです。

よって私が何度もお伝えしてきた
「お金を増やしたいならインフレに対応できない利回り1%もない積立型保険商品はやめましょう」
という言葉には当てはまらないのが変額保険ということですね。

じゃあ変額保険を活用すればお金を増やせるじゃないか、と言われるかもしれませんが
ちょっと待ってくださいね。

確かに変額保険はインフレに対応できる商品ですが、本当に変額保険がいいのでしょうか?

先ほどお話しした利回り、ベンチマークは10%くらいとお話ししましたが、変額保険も同じように10%くらいでまわるのでしょうか?

実は上記のことから「変額保険でも10%期待できる!」と思うのは間違いです。

これまでの積立保険についての記事で、
支払った保険料から死亡保障にも回っている分があるとお話ししましたが、
変額保険も同様で死亡保障に回っている部分があります。

具体例で見ていきましょう。

目的:60歳以降の老後資金を準備したい。
契約者:30歳女性

【変額保険】
死亡保険金額(基本保険金額):1,400万円
保険料を支払う期間:30年
毎月の保険料:30,380円

変額保険は選択する特別勘定によって成績が変わるので、
もし選択した特別勘定で何%運用されたら解約返戻金はこうですという記載の仕方になっています。

下記の表が具体例です。 

30歳女性が毎月30,380円を30年間積み立てたとき、
支払保険料合計が10,936,800円で、0%運用の場合、解約返戻金は868万円、返戻率は79.4%です。
0%運用の場合、つまり全く運用されない場合ですから、自分が払った金額と解約返戻金の差額が保障に回っている金額ということになりますね。

ここからわかるのが、こちらの変額保険では自分が支払った保険料の約20%が保障部分の掛け捨てになっており、支払った保険料の8割しか運用されていないということになります。

もちろん、死亡保障がついていることのメリット、
例えば運用状況が悪い時に亡くなってしまっても、死亡保障は一定額保障されているというメリットはあります。
(確定拠出年金ではこの場合、支払った金額より目減りした金額で遺族に遺されます。)

しかし、弊社がアドバイスしているがんばらない投資を活用すると、このメリット部分、確定拠出年金でいうデメリット部分もカバーできるので、あえて変額保険を行うメリットがないとも言えてしまいます。
(がんばらない投資についての詳細はここでは省略させていただきます。)

そのため、以前は変額保険をクライアントに紹介していた弊社ですが、
現在ではがんばらない投資をオススメしていますし、
変額保険を行なっているクライアントの方々に向けてもがんばらない投資への切り替えをオススメしています。

同じ金額を支払うなら8割しか運用に回らないものより100%運用に回る方がいいですよね。

実際の利回りは?

これまで積立型保険商品の返戻率を利回りに直して、運用商品として本当はどのくらいお得なの?というのを見てきました。
変額保険は自分が支払った金額の約20%が保障部分に充当されていて約80%が実際に運用に回っていると先ほどお話ししました。

では、試算に載っている「運用が何%の場合」というのを、利回りに直したらどうなるのかを見ていきましょう。

上記の表からこの変額保険でもし6%運用された場合、
30年後に支払保険料合計が10,936,800円に対して解約返戻金は約2,378万円、返戻率は217.4%となります。
(この6%運用された場合というのは30年間の平均運用が6%の場合ということです)

それではこれを楽天証券の積立かんたんシミュレーションを使って利回りを出してみましょう。

はい、「4.67%」です。
試算表上で運用が6%の場合というのは、実際には4.67%の場合ということができます。

つまり、選択した特別勘定が外国株で、中身を見てみるとベンチマークの「MSCIコクサイ」は約10%で回っているから10%の利回りが見込める!というのは間違いだということですね。

死亡保障も欲しいから変額保険?

人によっては死亡保障も欲しいので、それを含めての変額保険という方もいらっしゃるのですが、
それなら掛け捨ての死亡保障とがんばらない投資である海外投資を掛け合わせた方が安い保険料で運用としては国内よりも見込めますよといつもアドバイスしています。

もし具体的に知りたい!という方がいらっしゃいましたら
私たちが運営している会員制海外投資クラブ(通称:ICC)所属の海外投資アドバイザーへお問い合わせください。
具体的にどうしたいとか、既に加入している保険をどうしたらもっと効率よくお金が増やせて保障もしっかり持てるのか、といったことなどを相談していただくといいと思います。

変額保険は「お金を増やしたいならインフレに対応できない利回り1%もない積立型保険商品はやめましょう」という言葉には当てはまらないけれども、
同じ時間を使ってお金をよりよく増やしたいなら変額保険よりももっといいものがあるので、より良いものを活用していくべきです。

つまり

お金を増やしたいなら積立型保険はやめよう

ということです。

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