12/3発売の第2弾、第8章をご紹介
最近のニュースを見ていると、世界各国の中央銀行が金(GOLD)の備蓄をせっせと増やしているそうです。米ゴールドマン・サックスのレポートによれば、中央銀行は地政学リスクや金融不安へのヘッジとして外貨準備の多様化を進め、大規模な金購入を続けているとのこと。たとえば2022年以降、各国の中央銀行が毎年1,000トン超もの金を買い増しており、過去10年の平均(400~500トン)を大きく上回るペースだそうです。一方で世界ではインフレ(物価上昇)も深刻で、イギリスでは2022年に消費者物価が前年比+10%を超える歴史的高インフレとなりました。こうした状況から、「なぜ今、金が注目されているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、その答えのヒントが詰まった書籍があります。『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』の第8章「世界のエリート投資家が金を選ぶ理由」では、ロンドンで活躍するプライベートバンカーの女性「エミ」が、富裕層のクライアントたちと向き合う中で金(GOLD)の価値に気づいていく物語が描かれています。今回はこの第8章にフォーカスし、物語を追いながらエリート投資家たちがこぞって金を選ぶ理由をひも解いてみましょう。
エミの葛藤:「金に乗り換えたい」という相談
ロンドンの金融街シティで働くエミは、富裕層向けの資産アドバイザーとして毎日忙しく飛び回っています。常に最新の投資情報をチェックし、世界の著名投資家の動向に目を配るのが日課というプロ中のプロです。そんなエミのもとにある日、40代のテクノロジー企業の起業家である顧客から電話が入りました。内容は意外な相談でした。
「手持ち資産の一部を金に換えたい。エミさん、時間を取ってもらえるかな?」
エミは一瞬驚きます。というのも、その起業家は常に最新テクノロジーや成長株など“時代の先端”を追いかけてきた人物。金といえば利息も配当も生まない上に古風な資産という印象があり、エミ自身もそれまで金を投資対象として重視していませんでした。だから「今なぜ金なの?」と不思議に思ったのです。
とはいえ、相談者である起業家の表情は真剣そのもの。エミは約束の日、ロンドン市内の高層ビルのオフィスに赴きます。最新デザインのインテリアに囲まれた一室。そのデスクの片隅に、小さな金色の延べ棒(インゴット)がペーパーウェイトのように置かれているのにエミは気づきました。「金への切り替え」は彼にとって一時の気まぐれではなく、確固たる決意なのだと感じさせます。
彼は率直に語りました。「金は究極の保険だと考えている。ITがどんなに進んでも、人類が電気を失おうとも、金の価値そのものはゼロにならないからね」彼はインフレや経済危機への備えとして、資産の一部に実物資産である金を組み入れたいと考えていました。エミははっとします。「金は究極の保険」──まさに有事に備える守りの資産というわけですね。富裕層の間でひそかにそんな意識が広まりつつあることを、彼との対話を通じてリアルに実感したのです。
資産家夫婦の決断:金貨がもたらす安心
起業家の相談を受けた後も、エミの周囲では立て続けに「金に興味がある」という声が上がりました。次にエミが足を運んだのは、長年担当しているロンドン郊外に邸宅を構える老夫婦のクライアントのもとでした。70歳近い夫A氏と60代後半の妻Bさんは、豊かな人生経験を持つ資産家夫婦。美術品や不動産投資にも精通した方々です。
暖炉の火が揺れる居間で紅茶をいただきながら談笑する中、Bさんが切り出します。「エミさん、今日お呼び立てしたのは他でもないの。私たち、手持ち資産の中心に金貨を据えようと思っているのよ」──エミは思わず「金貨、でございますか?」と聞き返しました。美術品でも不動産でもなく金貨を選ぶという発想は、エミにとっても予想外だったからです。
夫のA氏も頷いて言います。「ああ。ブリタニア金貨をまとまった額、購入しようと考えている」ブリタニア金貨は英国王立造幣局発行の由緒ある金貨です。エミは理由を尋ねました。「きっかけは終活的な意味合いでしょうか?」──高齢の資産家が金を買うと聞くと、相続対策や資産整理かな?と考えたのです。
しかしBさんは首を横に振りました。「ええ、もちろんそれもあるわ。歳も歳だから資産を整理したい気持ちはあるの。でもね、それだけじゃないのよ」そして少し真剣な表情で続けます。「正直に言うとね……この先の世界の行方に少し不安を感じているの」
意外な言葉にエミはハッとしました。莫大な富を持ち悠々自適に暮らす彼らが、未来に不安を感じているとは…。A氏が静かに語り始めます。「これまで私は株式や不動産、事業投資で資産を築いてきた。それらは今でも価値を生んでくれている。だが私もそろそろ潮時だ。運用は若い君たちに任せて、守りを固めたいと思っている」窓の外の手入れの行き届いた庭に目をやりながら続けます。「この先10年20年、世界がどうなるか全く読めなくなってきた。政治の分断、異常気象、戦争のリスク…。最近の世情を見ていると、現金や株式だけで資産を置いておくことに一抹の不安があるのだよ」
妻のBさんも頷きました。「ウクライナへの侵攻のニュースを見たとき、本当に胸が痛んだわ。まさか21世紀にもなって欧州であんな惨事が起きるなんて。それに戦争の影響でエネルギー価格が急騰して、イギリスでも物価がすごく上がったでしょう?老後のんびり暮らしている私たちでさえひしひし感じるのだから、現役世代はなおさらよね」──ロシアによるウクライナ侵攻はヨーロッパのエネルギー事情を直撃し、イギリスでも2022年に消費者物価上昇率が約11%という歴史的高水準に達しました。Bさんはその現実を肌で感じ、「将来への漠然とした不安」を抱いたといいます。
Bさんはさらに続けました。「中央銀行が慌てて金利を上げているけれど、その陰で各国の中央銀行自身が金を買い増しているという記事を読んだの。世界の基軸通貨と呼ばれるドルですら、いつまで信頼できるかわからないという声もあるでしょう?だとしたら、私たちも自分たちの“基軸”となるものを手元に置いておきたいと思ったの」エミはハッと息をのみました。各国の中央銀行が自ら金を買って備えている──先ほど触れたように、これは事実です。たとえばポーランド中央銀行は2023年だけで67トンもの金を購入し、世界有数の「金買い」国となりました。今や新興国だけでなくポーランドやハンガリーといったヨーロッパ諸国まで外貨準備に占める金の割合を引き上げています。「有事のときに信頼できるのは、結局自分で持っている金だけ」──そんな認識が国レベルで広がっているのかもしれません。
そしてA氏は若かりし頃に父親から言われた言葉を思い出したそうです。「父がよく言っていたものだよ。『金こそが本当のお金で、それ以外はすべて信用にすぎない』とね」後になって知ったのだが、それはかのJ.P.モルガン(アメリカの著名な銀行家)が1912年に米議会で証言した有名な言葉だったらしい、とA氏は静かに笑います。「当時はピンとこなかったが、年を重ねるにつれて痛感するよ。株式も不動産も、その価値の裏付けは人々の信用だ。しかし金は違う。金そのものが普遍的な価値を備えている」──100年以上前から語り継がれるこの格言に、エミも深く頷かされました。
さらにBさんは目を輝かせて話します。「私たち二人とも博物館巡りが好きでね。大英博物館の古代コイン展で紀元前の金貨を見たときは感動したわ。何千年も前のものなのに、今でも黄金の輝きを失っていない。それどころか歴史的価値がついて、当時の何倍もの値打ちがあるでしょう?あれを見て結局、時代を超えて本当の価値を保つものは何かしらって考えたの」──数千年の時を経てもなお輝きを放つ金貨。そこから感じる「不変の価値」に、彼らは資産保全の答えを見出したのです。
エミはこの夫婦との対話を通じて、金が単なる「古い資産」ではなく未来への安心をもたらす頼もしい存在であることに気づき始めました。老夫婦の穏やかな笑顔がそれを物語っています。金貨を手にすることで得られる安心感──それは毎日価格が上下する金融資産とは次元の違う、心の拠り所のようなものなのかもしれません。
世界の潮流:データが裏付けるゴールドの価値
オフィスに戻ったエミは、その日感じたことを整理すべく夜遅くまでリサーチを始めました。サンドイッチをかじりつつパソコンに向かい、金価格のチャートや各国の経済ニュースに目を通します。すると、世界中の中央銀行が近年記録的な勢いで金を買い増している事実がデータで裏付けられてきました。特に2022年以降の傾向は顕著です。冒頭で触れたように、各国の中央銀行は年間1,000トン規模という、過去数十年になかった量の金を買い続けています。エミの顧客である起業家や老夫婦が敏感に察知していた「潮流」とは、まさにこのことだったのです。
さらに分析記事によれば、金購入に積極的なのはアジアや中東など新興国だけではありません。ヨーロッパでもポーランドやハンガリーをはじめ複数の国が外貨準備としての金保有を大幅に増やしているとの報告がありました。背景には「ドル資産への過度な依存を減らし、自国の経済安全保障を高める狙い」があると言います。ウクライナ侵攻のような緊急事態で痛感したように、「最後に頼れるのは自ら保有する金だけ」という認識が政府レベルでも広まったのでしょう。
ニュースの見出しを追いながら、エミは昼間に耳にした様々な言葉を思い返していました。「金こそが本当のお金で、それ以外は信用に過ぎない」「唯一の理由は明白で、金は貨幣だからだ」どれもこれも、今日一日で彼女の胸に突き刺さったキーワードです。ふと、ヘッジファンドマネージャー、レイ・ダリオ氏の有名な言葉も思い浮かびました。「金を持たない者は歴史も経済も何も分かっていないのと同じ」強烈なメッセージですが、中央銀行という“国家レベルの投資家”たちが実際にそれを体現するように金を買っている事実を見ると、妙に説得力がありますよね。
エミは自分自身の資産配分も振り返ってみました。これまで株式や債券、不動産ファンドなどバランスよく分散してきたつもりでしたが、金の保有割合はゼロだったことに気づいたのです。プロとして多くの顧客の資産を預かりながら、自分自身は金を一切持っていなかった…。レイ・ダリオ氏の言葉が胸にグサリと突き刺さります。「金を持たない者は歴史も経済も分かっていない…」まさに自分のことではないか!と。老夫婦が言っていた「私たち自身が小さな中央銀行になるつもりで…」という言葉も思い出しました。そうだ、自分も自分の人生という“国”の中央銀行になればいい。備えるべきは今──。エミは机を軽く叩き、ある決心を固めたのでした。
金が選ばれる本当の理由とは?
ここで一息、エミが気づいた「なぜエリート投資家は金を選ぶのか」のポイントを整理してみましょう。第8章の物語から浮かび上がった主な理由は次のとおりです。
・有事への備え(究極の保険)
戦争や災害など世界が不安定になったとき、金は価値がゼロにならない安心資産です。インフレで紙幣の価値が下がっても、金は希少な実物資産として購買力を保ちます。
・通貨不安・インフレヘッジ
各国政府の膨大な借金や金融緩和で「お金の価値」に不安がある中、金は自分で持てる価値の保険になります。中央銀行自身が金を買っている事実がその何よりの証拠です。金利が上がってもなお中央銀行が金を買うのは、将来の通貨価値下落への備えとも言えます。
・長期的な価値保存
金は歴史的に真の価値を保ってきた資産です。古代の金貨が今も美しく輝き、高い価値を持っているように、金そのものは時代を超越します。J.P.モルガンの言葉「金こそ真の貨幣」が示すように、金には普遍的な価値があるのです。
・ポートフォリオ分散効果
高リスク資産で富を築いた富裕層ほど、最後の「堅固な柱」として金を組み入れる傾向があります。株や不動産だけに偏らず、金を加えることで資産全体のバランスと安全性を高める狙いです。金は他資産と値動きが異なることが多く、資産ポートフォリオの分散先として理にかなっています。
いかがでしょうか。エミのクライアントたちが金を選んだ背景には、決して一時的なブームや漠然とした不安感だけでなく、歴史が証明しプロが裏付ける「確かな理由」があったのです。
初めての金貨購入、そして確信
そうした数々の気づきを得たエミは、ついに行動を起こします。数日後、彼女はロンドン市内の老舗貴金属ディーラーの扉をくぐりました。店内のガラスケースには南アフリカのクルーガーランド金貨、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨など世界各国のコインがずらり。そしてお目当ての英国ブリタニア金貨も誇らしげに並んでいます。
「いらっしゃいませ」上品な初老の店員が出迎えてくれました。エミは少し緊張しながら尋ねます。「ブリタニア金貨を購入したいのですが、在庫はありますか?」──「ございますよ」店員さんが微笑んで、小さなトレイに一枚の金貨を載せて見せてくれました。直径約32ミリの金色のコイン。女神ブリタニアが描かれたその1オンス(31.1g)の金貨は、エミが求めていたまさにそれです。
「美しい…」思わず本音が漏れました。写真や資料で何度も見ていたデザインでしたが、実物の存在感は格別です。震える手でルーペを借りて細部を観察すると、細かな波模様や女神の持つ槍と盾のレリーフがきらめき、ため息が出るほど。店員さん曰く、最新のブリタニア金貨には高度な偽造防止技術が4つも施されているとのこと。ラテン語のマイクロ文字や、角度で錨マークが錠前に変わる潜像など、世界最高水準の信頼性を誇る金貨だそうです。「さすが英国が世界に誇るコインですね」とエミは感嘆しました。単なる投資商品ではなく、国家の威信が詰まった芸術品のようにも感じられます。これなら富裕層が惹かれるのも頷ける…エミは心からそう思いました。
エミは予定していた枚数のブリタニア金貨を購入しました。決して安い買い物ではありません。しかし、不思議と不安はなく、むしろ大きな買い物をしたのに心が落ち着いている自分に気づきます。価格以上の「価値」を手に入れたという安心感でしょうか。革張りの小箱に収められたピカピカの金貨たちを受け取り、エミはそっと一枚を手のひらに乗せました。冷たく、ずっしりと重い感触。手のひらに伝わる重厚感に心は温かく満たされていくようです。彼女は心の中で静かにつぶやきました。「ようこそ、わが家の金貨たち…」今まで出会った人々の言葉が次々と頭に浮かびます──「金は究極の保険」「歴史を知り経済を知る者は金を手放さない」「金こそ真の貨幣」…。それら全てがストンと腹落ちした瞬間でした。
お店を出る頃、ロンドンの冬の空は雲ひとつない青空でした。澄んだ陽光が街並みを照らす中、エミはコートのポケットに小箱を大事にしまい、足取りも軽く歩き出します。まるで世界が以前より安定して見えるような、不思議な安心感が胸の内に広がっていました。自分の中に一本、太い芯が通ったような感覚──「これで大丈夫」という確かな拠り所を得たのです。
金貨が導く「資産防衛の一歩」
オフィスに戻ったエミは、早速デスクの引き出しから先ほど買ったばかりのブリタニア金貨を一枚取り出しました。柔らかな布で包み直し、もう一度そっと手のひらにのせてみます。ひんやりと重い金属の感触。しかし心はとても温かです。全身に不思議な安心感が行き渡っていきます。「ようやくあなた(金)の価値に気づいたわ…」思わずそう語りかけていました。
きっと20代の頃のエミだったら、この金貨の重みに価値を見いだせなかったでしょう。数字上の利益ばかり追いかけて、金の輝きを「ただの飾り」と思っていたかもしれません。でも今、目の前の金貨は何千年も続く人類の歴史と経済の真実を静かに物語っているように感じます。小さな円盤の中に凝縮されたその重みは、過去と未来をつなぐ時間の流れを映す鏡のようです。
エミは金貨を再び布に包み、大事にしまいました。引き出しを閉める音がやけに力強く響きます。今日という日は、きっと彼女の人生の転機になるでしょう。世界のエリート投資家たちが金を選んだ理由を、頭ではなくこの身で理解できたのですから。
ノートを開いたエミは、最後にこう書き記しました。
「金は変わらぬ価値。歴史が教える真実」
これこそが、顧客たちとの対話を通じてエミが得た答えでした。そしてこの気づきは、同時にあなたが金投資を始める第一歩のヒントになるかもしれません。
金貨がもたらす安心と価値──少しでも興味を持たれたなら、ぜひ『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』を手に取ってみてください。この物語を読み終えたとき、きっとあなたも「人生という資産防衛」に金を活用する意味がスッと腹落ちするはずです。そしてそれは、将来への不安を減らし一歩踏み出す大きな安心材料になってくれるでしょう。未来の自分を守る「小さな中央銀行」として、金(GOLD)という選択肢をぜひあなたの資産の中にも加えてみませんか?
