2025/07/23

テレビの終焉。広がる『情報スピード格差』。



小川の一言:「これはあくまで私の憶測にすぎませんが…」

AIで誰もが情報にアクセスできる時代に

私たちの周りでは、ChatGPTをはじめとするAIの登場によって、知りたい情報に誰もがすぐアクセスできるようになりつつあります。かつては専門知識や情報源を持つ人と持たない人で大きな「情報格差」がありましたが、その差は確実に縮まりつつあるでしょう。しかし同時に、情報を入手し活用する“速さ”の差が目立ってきているとも言われます。AIのおかげで情報そのものは民主化されても、重要な変化をいち早くキャッチして行動に移せる人と、のんびり構えていて出遅れてしまう人との差はむしろ広がる可能性があるのです。

例えば、新しい経済ニュースが飛び込んできたとき、すぐに「これは自分の生活や投資にどう影響するだろう?」と考えて行動に移せる人もいれば、「へえ、そうなんだ」と眺めて終わってしまう人もいます。実際、AI時代には知識よりも行動の速さが価値を持つ場面が増えるかもしれません。せっかく情報へのアクセスが平等になっても、それを活かすスピードで差がついてしまってはもったいないですよね。


テレビ情報の「偏り」と「遅さ」も顕著に

一方で、従来から私たちが慣れ親しんだテレビはどうでしょうか?テレビ番組で得られる情報には、スポンサー企業や放送局の意向が少なからず反映されます。そのため伝え方に多少の「偏り」が出たり、扱うテーマにも制約があったりすることは否めません。また、テレビは放送時間が決まっており、ニュースでも取材・編集を経てから放送されるので、リアルタイム性ではインターネットに劣ります。特にセンシティブな問題では、テレビが取り上げるまでに長いタイムラグが生じることもあります。ネット上で数時間情報収集すれば得られるような内容でも、テレビユーザーが同じ情報に辿り着くのはその10分の1以下のスピードしかないとも言われます。このようにテレビ発の情報は「遅い」ケースが増えており、速報性という点では明らかに不利です。

さらに、テレビや新聞など旧来メディアは「事前に精査された確かな情報だけを流し、視聴者はそれを信頼して受け取る」という前提で成り立っています。一方、SNSや個人発信の情報は玉石混交で、正しいかどうかはユーザー自身が見極める必要があります。テレビには情報の信頼性という強みはありますが、その分だけ自由度やスピードが犠牲になっているとも言えるでしょう。


「テレビ離れ」が止まらない

こうした状況もありテレビ離れは年々進んでいます。実際にある調査では、13~19歳の約19%、20代では約27%もの人が「この1週間にテレビ局のコンテンツを一切見ていない」と答えています。これはテレビのリアルタイム放送はもちろん、録画やテレビ局の配信動画、公式SNSアカウントも含めて「まったく触れていない」という意味です。20代の約4人に1人が完全にテレビと無縁な生活を送っているというのは衝撃的なデータですよね。

一方で、テレビは依然として高齢者層に強く支えられています。先の調査でも、60代でテレビコンテンツに全く触れない人はわずか4%、70代以上でも3%しかいませんでした。つまり裏を返せば、60代以上のほとんど(96%以上)は何らかの形でテレビ局の発信する情報に接しているということです。テレビは「若者に相手にされていない」一方で、高齢者にとってはいまだ主要な情報源であることが分かります。

しかし、この「完全なテレビ離れ」の傾向は中高年にもじわじわ広がりつつあります。テレビ局のコンテンツに一切触れない人の割合は、2010年代から各年代で少しずつ増えており、50代以上でもその割合が2~3倍に増えたというデータもあります。今は若者ほど顕著でなくても、将来世代が入れ替われば、テレビを見る人自体が大幅に減ってしまう可能性は十分にあります。

若い世代がここまでテレビから離れている背景には、生活スタイルの変化もありそうです。例えば、10代では家族と同居している人が多いため、「自分からは見なくても食事中に家族がつけたテレビを一緒に見ている」というケースも考えられます。一方で、一人暮らしを始める20代になるとそうした機会もなくなり、意識せずとも「テレビ無し生活」になってしまう人が増えるのでしょう。元NHKアナウンサーでウェブ小論文塾代表の今道氏は「完全にテレビを避ける生活なんて無理だろう」と思っていたそうですが、現実にはそれを当たり前にこなす若者が2~3割もいたことに驚いたと言います。もしかすると若い人たちにとっては「そんなことで驚いているからテレビは時代に取り残されるんだよ」と感じられてしまうのかもしれませんね。


情報収集の中心はSNSへ、ただし精査が重要

テレビから離れた人たちは、何から情報を得ているのでしょうか。言うまでもなく、中心はスマートフォンであり、その中でもSNS(ソーシャルメディア)です。総務省の調査でも、10代から30代のインターネット利用時間は非常に長く、情報収集やコミュニケーションの中心がネットに移行しつつあることが指摘されています。別の調査では、ニュースの情報収集源について、10~20代では約6割が「SNS」を挙げ、「テレビ」は約4割にとどまったという結果もあります。逆に70代では9割近くがテレビから情報を得ており、世代間で全く異なることが分かります。

TikTokやYouTube、X(旧Twitter)など、若者に人気のプラットフォームでは、テレビでは見られないリアルタイムな情報や多様な意見に触れることができます。特にXは速報性が高く「今起きていること」を把握しやすいツールであり、10代~30代の利用率が6割以上と高水準です。YouTubeも動画コンテンツを通じてニュース解説や専門家の話を手軽に視聴できるため、若年層にとってはテレビの代替以上の存在になっています。

ただし、SNS上の情報には事実に基づかない噂や誤情報も少なくありません。便利で速い反面、「すべてを鵜呑みにしない」リテラシー(情報を見極める力)が不可欠です。実際、現役高校生を対象にした2025年の調査でも、「SNSの情報をあまり信じていない・全然信じていない」と答えた高校生が45.1%にも上りました。一方で約55%の高校生は「気になった情報は自分で調べて信頼性を確認する」と答えており、若い世代なりにSNSの情報と向き合っている様子もうかがえます。

言い換えれば、今後は情報の「受け手」側にも質を見極める責任がますます求められるということです。SNSはテレビ以上にスピーディーで多彩な情報源ですが、その中から正確で有益なものを選び取る目を養うことが大切です。


企業も「テレビ広告離れ」?新たな戦略へ

情報発信の場がテレビからネットへと移る中で、企業の広告戦略も変化しつつあります。かつては新商品を宣伝するといえばテレビCMが王道でしたが、若年層にテレビ視聴者が少なくなった今、広告主もテレビだけに頼れなくなっています。実際、日本の広告市場のデータを見ると、2000年に約2.9兆円あったテレビ・新聞・雑誌・ラジオの広告費は2022年には約1.6兆円と半分近くに縮小しました。一方でインターネット広告費は急成長を遂げ、2019年に初めてテレビ広告費を上回り、2021年にはついにテレビなど4マス媒体(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)の合計をも追い抜いたのです。企業が広告予算を急速にデジタルシフトさせている象徴的な出来事と言えるでしょう。

こうした流れを受け、広告主はテレビからYouTubeや動画配信サービス(TVerなど)へと出稿先を移す動きを強めています。SNS広告やインフルエンサーマーケティングに注力する企業も増えており、自社の商品・サービスを若い世代に届けるために試行錯誤が続いています。テレビCMに依存しないプロモーション戦略を模索することが、これからの企業にとって重要な課題となるでしょう。


投資リターンもスピードで差がつく?これからの行動のヒント

ここまで見てきたように、情報収集と発信の主戦場はテレビからインターネットへと移り、情報格差よりも情報スピード格差が私たちの生活や経済に影響を与える時代になりつつあります。特に投資の世界では、情報を早くキャッチして活用できるかどうかが成果の分かれ目になるかもしれません。極端にいえば、日々AIやネットで最新情報を収集し即座に意思決定できる人と、依然としてテレビのニュースや翌朝の新聞を待って判断する人とでは、数年後の資産運用成績に大きな差がついていても不思議ではありません。

では、その「情報スピード格差」に個人としてどう対抗すれば良いのでしょうか。ポイントは、常にアンテナを張り巡らせておく習慣を身につけることです。興味の幅を広げ、普段は関心のない分野のニュースにも目を通してみましょう。朝起きたら経済ニュースサイトにざっと目を通す、通勤中に専門家のYouTube解説を観る、週末に業界レポートを読む…そんな自分なりの情報収集ルーティンを作ってみるのもおすすめです。また、信頼できる発信者や一次情報源をフォローすることも有効です。例えば当DEVOTION GOLD CLUBのブログもその一つですが(笑)、SNSでも確かな分析をしている専門家を見極めてフォローし、得られた情報はAIツールで整理・要約する、という方法もあります。

大事なのは「テレビはもう古いからダメ」と極端に考えることではありません。テレビにも長年培われた信頼性や臨場感のあるコンテンツ制作力があります。ただ、今やそれだけに依存していると新しい動きに乗り遅れるリスクが高いということです。AI時代の投資家としては、「情報をいち早くキャッチして取捨選択し、自分の判断につなげる力」を意識的に鍛えていきたいですね。そうすることで、これからどんな市場環境が訪れても柔軟に対応できるはずです。

最後になりますが、冒頭でもお伝えしたように、これはあくまで「私の憶測」にすぎません。しかし時代の変化の兆しとして、テレビを含む旧来メディアの役割が見直され、新しい情報収集スタイルへとシフトしている流れを感じます。皆さんもぜひ日々の情報との向き合い方を振り返り、明日からの行動に活かしてみてください。


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