12/3発売の第2弾、第3章をひと足先に
12月3日に、拙著の第2弾『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』がいよいよ発売になります。今日はその中から「第3章:米国債務危機 ― ドル崩壊の序章 / リサ編」をピックアップして抜粋解説しました。
リサの不安:「もしかしてドルも危ないの…?」
外資系コンサルタントのリサは、仕事柄いつも冷静かつ論理的に世界経済を分析するキャリアウーマンです。そんな彼女でも、ある日最新の市場レポートに心をざわつかせました。それは米国の巨額債務に関する報告と、世界的に広がる「ドル離れ」の兆候でした。リサは自分の持つドル建て資産(米国株や債券など)の将来に、不意に不安を覚えたのです。
実際2023年には、米国政府の債務上限問題が大きく報じられ、デフォルト(債務不履行)のリスクが現実味を帯びました。米国債の格付けも揺らいでおり、信用格付け会社フィッチは2023年8月に米国債を最上位の「AAA」から「AA+」に引き下げています。フィッチが米国債を格下げするのは異例で、その背景には「米国の債務が年2兆ドルペースで増大し、総額がすでに36兆ドル規模に達した」という深刻な財政悪化への懸念がありました。リサに報告書を見せてくれた友人の尚美(ウォール街の投資ファンド勤務)は、「米国債務問題がここまで表面化するなんて」と驚きを隠せません。債務の膨張により「世界最強」と信じられてきた米ドルと米国債への信頼が揺らぎ始めている──リサはその現実に直面したのです。
広がるドル離れ:中央銀行まで動き出した
尚美が持ってきた報告書には、衝撃的なデータが並んでいました。それは各国の中央銀行が保有する外貨準備の中で、米ドル資産の割合が年々低下しているという事実です。実際、IMF(国際通貨基金)の統計によれば、2001年に全世界の外貨準備の72%以上を占めていたドルの比率は、2024年第三四半期に57.3%まで低下し過去最低を更新しました。わずか20年ほどでドルの存在感がここまで低下したのですから、驚かざるを得ません。この「ドル離れ」の背景には何があるのでしょうか?
リサたちが注目したのは、各国中央銀行の動きでした。報告書によれば、中国の中央銀行はここ数年、米国債の保有残高を減らし続けています。実際、中国が保有する米国債は最盛期(2013年頃)の約1.3兆ドルから2022年末には0.87兆ドル(8,700億ドル)まで減少し、約3分の2に縮小していました(※リサの見た報告書より)。中国以外にもロシアや中東、インドなど、これまで米ドルを多く保有していた国々が外貨準備からドル資産を減らし、代わりに「金(GOLD)」を積み増しているというのです。尚美の言葉にリサも大きく頷きました。「各国の中央銀行が金の保有額を増やしている」ことは、データを見れば明らかでした。中央銀行自身がドル離れを進めているなんて…リサは国家レベルで進行する変化に戦慄します。
現実に、世界の中央銀行による金の大量購入はニュースにもなっています。例えば2022年、各国中銀が買い入れた金は合計約1,135トンと過去最高記録を更新しました。これは冷戦期以来最大の「金買い」であり、多くの国がこぞって金準備を積み増していることを意味します。背景にはロシアによるウクライナ侵攻後の経済制裁でドル資産が凍結された事例などもあり、「有事でも使える安全資産」として金を見直す動きが加速したと指摘されています。世界の中央銀行を対象にした調査でも、今後5年間で外貨準備に占める金の比率は上昇し、ドルの比率は減少すると予想されています。まさにグローバルに「ドル離れ」が進み始めているのです。
「ドルの価値下落」に気づき始めた人々
リサは、このドル離れが金価格にも影響していることに気づきました。実は金の価格は近年急騰しており、作中の舞台となる2025年春にはニューヨーク市場で金先物価格が一時1トロイオンスあたり3,000ドルを超え、史上最高値を更新しました(※ドル建て金価格の上昇はドル価値の下落を裏返しに示します)。日本国内でも、田中貴金属が公表する小売価格が1グラムあたり1万7,000円を超える水準に達し、史上例のない高値圏にありました。金価格がこれほど上がる主要因は需給(欲しい人が多い・取れる量は少ない)のタイトさですが、見逃せないのは世界的なドル離れの加速であり、各国の中央銀行の旺盛な金買いが金価格を押し上げていると分析されています。つまり、市場は徐々に「ドルの価値下落」に気づき、価値の逃避先としての金に資金が流れているということです。
ところが、リサの周囲の一般投資家仲間たち(同年代の友人たち)はこの危機感を共有しようとしませんでした。彼女がグループチャットで「ドルや米国債って本当に安全なのかな?私たちのドル建て資産、大丈夫?」と問いかけても、返ってきたのは「アメリカが破綻なんてありえないでしょ、大丈夫だよ」「FRB(米連邦準備制度)だって何とかしてくれるだろうし」といった楽天的な意見ばかり。一部の友人は「最近の株価下落はむしろ買い増しのチャンスだよ!」と米国株を買い足していたほどです。リサはもどかしさを感じました。「危機を事前に察知して動ける人なんて一握り。だからこそ自分の信じる道を行くしかない」と尚美はリサを慰めましたが、周囲の楽観ぶりにリサは少し落胆します。
金への目覚め:リサと尚美の決断
そんな中、リサにとって心強かったのは親友の尚美の存在でした。実は尚美自身、密かに資産の一部を金(GOLD)に移して備えていたのです。リサが「どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」と尋ねると、尚美は苦笑して答えました。「だって、リサはずっと米国株信奉者だったでしょ?若いのに『金なんて渋い投資ね』ってからかわれたこともあったし…言い出しにくかったのよ」。リサはハッとしました。確かに彼女自身、金投資なんて自分には関係ない、とどこかで決めつけていた節があります。株式やドル資産が順調なときは、金(GOLD)の地味さが物足りなく思えたのも事実でしょう。しかし今、目前に迫る現実を前にしてリサの意識は大きく変わり始めました。
尚美は小さなケースを取り出し、リサに中身を見せました。それは1枚の金貨です。刻まれていたのは女神のレリーフが描かれたコイン──尚美がかねてから資産防衛のために買い集めていた金貨でした。リサは思わず息をのみます。金貨は手のひらにずっしりと重く、美しく輝いていました。ただの貴金属の円盤なのに、なぜか「これさえあれば大丈夫」というお守りのような安心感を覚えたのです。尚美はウインクしながら言いました。「リサならきっと冷静に判断できると思ってたわ。ようこそ、ゴールドの世界へ」。リサは照れくさそうに笑い返しました。
金が選ばれる理由:有限だからこその「揺るぎない価値」
リサが金貨を手に感じた安心感には、きちんと理由があります。それは金という資産の持つ特性に由来します。リサは経済のプロらしく頭の中で整理しました。金(GOLD)は地球上の埋蔵量に限りがあり、無限に増やすことができません。だからこそ希少性が保たれ、需給の関係から価値が極端に崩れにくいのです。一方、私たちが普段使っている法定通貨(ドルや円など)は中央銀行によって必要に応じていくらでも増刷(発行)することができます。リサはハッとしました。「無限に刷れる紙幣とは違うからこそ、金は価値を保てる」──5000年もの歴史で、人類はそれを直感的に理解していたのかもしれない、と。リサの胸にストンと腑に落ちた瞬間でした。
さらに金には他者に依存しない価値があります。企業の株式や国の通貨は、その発行主体である企業や政府の信用力に価値が依存します。しかし金そのものは誰の負債でもなく、信用そのものが劣化する心配がない資産です。極端な話、世界中の通貨が信用を失っても、手元の金そのものは輝きを失わないでしょう。実際、経済や地政学の危機(いわゆる「有事」)の際に金価格が上昇しやすいのは、「最後に頼れる価値の保存先」として投資マネーが金に集まるからです。リサが感じた「この金貨があれば大丈夫」という安心感は、理にかなっていると言えます。
自分ごととして考える:私たちも「金」を持つべき?
リサの物語はフィクションですが、その背景にある状況は決して絵空事ではありません。米国の債務問題やドルへの信認低下は、今現実に進行しているからです。リサと同じ20~40代の私たちも、これまで「ドルは安全」「アメリカ経済は盤石」と信じて投資をしてきたかもしれません。確かに、長い間ドルは世界の基軸通貨として絶対的な地位を誇ってきました。しかし、ここ数年で起きている変化を客観的に見ると、その「当たり前」が永遠ではないことに気づかされます。各国の中央銀行がドル依存を見直し、多極化の動きを強めている今、私たち個人も資産ポートフォリオの点検をする良いタイミングかもしれません。
「投資は自己責任」「将来は誰にも予測できない」──もちろんその通りです。ドルの地位低下がゆっくりしたものに留まり、急激なドル崩壊など起きずに安定移行する可能性も十分あります。米国の財政もどこかで健全化に舵を切るかもしれません。ですから、闇雲に不安を煽って「すべて金に換えよう!」なんて極端なことを言うつもりはありません。ただ、リスク分散という観点から「有事の守り」としての金を少しでも持っておくことは、これからの時代の賢い選択肢の一つではないでしょうか。株式や投資信託(NISAで積み立てている方も多いでしょう)と並んで、ポートフォリオの片隅に「実物資産」である金を組み入れることで、資産全体の防御力を高める効果が期待できます。
小さな一歩を踏み出そう:金貨を手に未来を守る
リサはあの後、自宅へ帰る途中に信頼できる貴金属ディーラーに連絡し、念願の金貨を購入しました。「ドルと株だけ」だったこれまでのポートフォリオの中心に、ようやく“金”という不変の資産を据えたのです。胸の中に小さな希望の灯がともるのを感じ、「これからは自分の資産の核に金を据えていこう」と静かに決意したのです。
この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、「金投資なんて自分には縁遠い」「興味はあるけど難しそう」と感じている方がいるかもしれません。確かに金(GOLD)というと、一部のマニアックな投資家だけのものというイメージが昔はあったかもしれません。でも今や、世界の中央銀行や政府までもが金を重視する時代です。私たち個人も「守りの資産」として少しずつ取り入れてみる価値は大いにあるでしょう。何も一度に大量の金を買う必要はありません。一歩目は小さくて構わないのです。リサも最初の一枚からスタートしました。たとえば、まだ金貨を持ったことがない方は信用できるお店に問い合わせてみるだけでも立派な第一歩です。
また、リサや尚美の体験談を含め、初心者にも金投資の魅力と必要性を物語としてわかりやすく伝えてくれる一冊があります。この記事の元になった書籍『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』です。この本にはリサ以外にも様々なバックグラウンドを持つ女性たちが登場し、それぞれの視点で「なぜ今、金なのか?」を語っています。きっとあなたの共感できるストーリーが見つかるはずです。米ドルですら永遠の安泰ではないこと、そして有事に備える資産として金がどう役立つのか──本書はそれを私たちに教えてくれます。
未来の自分の資産を守るために、まずは知ることから始めてみませんか?リサが勇気を出して一歩を踏み出せたように、あなたも金投資の第一歩を踏み出してみてください。その手助けとして、ぜひ書籍『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』を手に取ってみてください。きっと新しい発見と安心感が得られることでしょう。黄金の一歩が、あなたの資産形成の心強い味方になりますように。
