2025/06/25

刺激不要。勇気ある退屈。〜「つまらなくなった」ビットコイン〜

投資の世界では、「退屈だ」と感じるくらい堅実な戦略こそが成功への近道とよく言われます。しかし近年、一攫千金を狙った刺激的な投機に走る個人投資家が増え、特に暗号資産のブームでは「面白い」短期売買に熱狂する風潮が見られました。果たして投資にスリルや興奮を求める姿勢は正しいのでしょうか。本記事では、「投資は『つまらない』という発想が出てくるスタンスでやるべきではない」というテーマを軸に、短期的な刺激を求める投機的姿勢への警鐘を鳴らし、堅実な長期投資の価値を解説します。



投資と投機の違い:刺激を求める危うさ

まず「投資」と「投機」の違いを整理しましょう。投資とは、本来は企業や資産の価値成長に長期で参画し、配当や利息などのリターンを得る行為です。一方、投機は短期的な価格変動から利益を得ようとする行為で、ギャンブル的要素が強くなります。巨額の富を築いた著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、暗号資産、特にビットコインについて「何の価値も生み出さず、誰かが明日もっと高く買うかに賭けるだけなら、それはゲームであって投資ではない」と指摘しています。つまり価格が上がるか下がるかというスリルに魅了される行為は、“退屈”とは無縁かもしれませんが、それは健全な投資というより投機(ギャンブル)に近いのです。

投資初心者ほど「もっとドキドキする売買で早く儲けたい」と感じがちですが、プロの間では「退屈な投資ほど成果を生む」とも言われます。堅実な長期投資は日々大きな値動きがなく刺激的ではありません。しかしその分、計画的に資産を増やすことに集中でき、大損するリスクを抑えられます。逆に刺激を優先すると冷静さを欠き、高値掴みや狼狽売りで資産を減らす危険が高まります。投資で成功するには、「ワクワクしないからダメだ」ではなく、退屈さに耐えコツコツ続ける忍耐が大切なのです。


暗号資産の現在地:「つまらなくなった」ビットコイン

かつて乱高下を繰り返し、多くの個人投資家を熱狂させたビットコインですが、2025年現在、その様相は大きく変わりつつあります。日本経済新聞(2025年6月19日付)の記事「『つまらなくなった』ビットコイン」によれば、代表的な暗号資産ビットコインへの個人投資が低調で、「価格変動が小さく投資家をひき付ける魅力が低下している」ことが一因だと報じられました。実際、ビットコイン価格は直近1カ月ほど平均10万ドル(約1,400万円)前後で小幅な値動きに終始しており、この低ボラティリティ(値動きの低下)によって「面白みがなくなった」と感じる個人が増えているのです。日経の記事では、個人投資家の鈍い動きがビットコイン相場の上値を抑えているとも指摘されています。

また、ビットコインのネットワークデータを分析すると、個人の関心離れが数字にも表れています。スイスの調査会社グラスノード(Glassnode)のデータでは、ビットコインを保有・運用するためのウォレット(電子財布)数の推移に変化が見られます。実際、オンチェーン分析会社Santimentによれば、2025年初めの数週間でビットコインの残高ありウォレット数が約27万7千件減少しており、特に小口保有者が市場から撤退したことが主な要因とされています。このようにウォレット数の減少は、市場から個人投資マネーが流出している兆候です。かつては乱高下の度に新規参入者が殺到したビットコイン市場ですが、今や価格変動の低下とともに熱狂は沈静化し、「退屈だ」と感じた個人が次第に離れているという現状が浮かび上がります。

こうした状況は、一部の投資家にとってむしろ健全な成熟と捉えられるかもしれません。価格が安定し、投機的な過熱感が冷めてきた証左とも言えるからです。しかし「値動きが小さい=つまらない」という理由で市場を去る投資家が多い現状は、暗号資産への関心がいかに短期的な刺激に支えられていたかを物語っています。投資対象としての魅力が薄れれば人が去る──その様は、暗号資産が依然として内在的価値というより投機マネーの興味によって動いていることを示唆していると言えるでしょう。


暗号資産は“投資”ではなく“投機”なのか

では、ビットコインをはじめとする暗号資産は本質的に「投資」ではなく「投機」なのでしょうか。その答えを考える上で重要なのは、暗号資産がキャッシュフローを生み出さない資産だという点です。株式や債券、不動産なら配当金・利息・家賃収入などのインカムが発生しますが、ビットコイン自体は持っているだけでは何も生み出しません。価値の源泉が将来の利用価値や収益ではなく、「より高く買ってくれる人が現れるか」に依存する部分が大きい資産は、やはり投資というより投機的だと言わざるを得ません。

実際、暗号資産市場では過去に数々のバブルと崩壊が繰り返され、多くのコインが消えていきました。短期間で価格が数倍になることもあれば、一夜にして半値以下になることも珍しくありません。こうした極端なボラティリティ(変動幅)は、堅実な投資対象というよりハイリスク・ハイリターンの投機対象であることの証です。価格が上がる時は刺激的ですが、その裏には常に暴落のリスクがつきまといます。

とりわけ個人投資家の場合、感情に左右されやすく、高騰局面で群がり暴落局面でパニック売りする傾向があります。ビットコインもこれまで、SNSやニュースで話題沸騰の時期に個人が殺到し、熱が冷めると退散するサイクルを繰り返してきました。この意味で暗号資産への個人投資マネーは“にわかファン”のような側面が強く、長期的視点の投資マネーとは質が異なるのです。

加えて、暗号資産は法定通貨や株式と異なり、政府や企業による裏付け資産や収益がありません(ステーブルコイン等一部例外を除く)。内在的価値の不透明さゆえに、価格は需給や市場参加者のムードで激しく変動します。これはつまり、理論的な適正価格が定めにくく、値動きの根拠が曖昧であることを意味します。長期投資家は通常、資産の本源的価値を見極めて投資しますが、暗号資産ではその価値評価が極めて難しいため、「みんなが欲しがるから上がる」という群集心理が価格形成を主導しがちです。こうした構造自体が既に投機的であり、安定的に資産を増やす投資対象としてはリスクが大きいことを肝に銘じるべきでしょう。

このように暗号資産には投機的要素が色濃くありますが、誤解してはいけないのは「投機=悪」ではないという点です。適切なリスク管理の下で投機的売買を楽しむこと自体を否定するものではありません。ただ、それはあくまで余裕資金で行う“ゲーム”の位置づけに留め、本命の資産形成は地道な投資で行うべきだということです。投資と投機を混同せず、興奮より成果を優先する姿勢が大切なのです。


公的機関も遠ざかる投機資産:コネティカット州の暗号資産投資禁止

暗号資産に対する世間の見方は、個人投資家だけでなく公的機関の間でも変化しつつあります。象徴的な出来事として、米コネティカット州議会が2025年6月、州政府による暗号資産への投資を全面禁止する法案を可決しました。この法案(House Bill 7082)により、コネティカット州およびその地方自治体は暗号資産を購入・保有することや、支払い手段として受け入れることを禁止されます。可決は超党派の支持で行われ、最終投票では賛成148・反対0という全会一致に近い形だったことからも、公的マネーを暗号資産へ投じることへの強い慎重論が浮き彫りになりました。

この法案を主導した民主党のジェイソン・ドゥーセット州下院議員は、「ボラティリティが高く規制も不十分な資産から、消費者と納税者を守るため」のprudent(慎重)な措置だと述べています。つまり、暗号資産は値動きが激しく規制も緩いため、公的資金を投じるには危険すぎるとの判断です。同じく米ユタ州やオクラホマ州など他の州でも、州政府のビットコイン備蓄(Strategic Bitcoin Reserve)を認める法案が相次いで否決・修正されており、国レベルだけでなく州レベルでも公的機関が暗号資産を資産として保有することにブレーキがかかっています。

この動きは、一時の暗号資産ブームの頃には考えにくいものでした。当時は「政府がビットコインを準備金として保有する日が来るかも」との声もありました。しかし近年相次いだ取引所の破綻や詐欺事件などにより、公共部門がリスク資産に深入りすることへの警戒が強まったと考えられます。「税金を原資とする政府ファンドが投機マネーに手を出すべきではない」──コネティカット州の決定は、そんな真っ当なリスク管理意識の表れでしょう。

もっとも、この禁止法に対しては「もともと州政府は暗号資産投資なんてしていなかったのだから実効性はなく、単なるアピールだ」との批判もあります。さらに「暗号資産産業のイノベーションを阻害する」と懸念する声も一部にはあります。しかし注目すべきは、この動きの背景にトランプ大統領(2025年再就任)の暗号資産推進策への反発があった点です。ドゥーセット議員も触れていたように、トランプ氏が積極的に関与するミームコインやデジタル資産への批判が民主党側に強く、その延長線上で州レベルでも「NO」を突き付けた側面があります。いずれにせよ、公的機関がこぞって暗号資産を忌避し始めたことは、暗号資産が投機的で不安定な資産だという認識が広がっている証と言えるでしょう。


トランプ政権の「親暗号資産」政策と利益相反の影

一方で、2025年に発足した米トランプ政権は露骨な「親暗号資産」路線を打ち出しています。トランプ大統領は就任直後の2025年3月、暗号資産を国家戦略資産として備蓄するための大統領令に署名しました。これにより、米政府は石油・金・外貨と同様にビットコインやイーサリアムなど主要5銘柄の暗号資産を安全保障上の備蓄資産に加える方針を示しました。これはバイデン前政権までの厳格規制路線からの大転換であり、トランプ氏の掲げる「暗号資産で米国を世界の中心に」という決意の現れと説明されています。

しかし、この政策には重大な利益相反(Conflict of Interest)の懸念が指摘されています。というのも、トランプ氏自身とその家族が暗号資産ビジネスに直接関与しているからです。実際、トランプ一族の関連企業はトランプ大統領の就任式直前に独自の暗号資産「$TRUMP(トランプ)」と「$MELANIA(メラニア)」を発行しました。報道によれば、トランプ・オーガニゼーション関連の企業(「Fight Fight Fight LLC」)がこれらトークンの80%を保有しており、発行直後の市場高騰で週末だけで約80億ドル(約1兆1千億円)相当の資産を得た可能性もあるとされています。つまりトランプ一家は、自らの影響力で価格が左右されるデジタル資産を大量に握り、大統領就任という追い風も利用して莫大な利益を上げた疑いがあるのです。

このような状況下で、同じ人物が国家の暗号資産政策を司ることは明白に利害の衝突を招きます。実際、監視団体や野党民主党からは「規制を行う立場の大統領自身が暗号資産発行者になるのは露骨な金銭的利害衝突だ」との厳しい批判が上がっています。朝日新聞も「トランプ氏は規制に関与する立場でありながら、自身や家族も暗号資産を発行しており、利益相反との指摘もある」と伝えました。さらに専門家は、こうした「個人の暗号資産」は外国勢力が密かに政治指導者へ影響力を行使する抜け道になり得ると警鐘を鳴らしています。要するに、トランプ政権の親暗号資産政策は公正な金融イノベーション推進策というより、トランプ一族の利益誘導策ではないかとの疑念が拭えないのです。

この構図は読者の皆さんにとっても示唆的でしょう。つまり、暗号資産には人々を狂熱させる魔力があり、時に国家政策さえも私利私欲と結びつきかねないという現実です。華々しいプロジェクトや「自由な新金融」の看板の裏で、誰が得をしようとしているのか──冷静に見極める目を持つことが重要です。少なくとも、特定の人物や組織が価格を左右できるような投機的資産に、自分の大事なお金を預けるリスクは肝に銘じておく必要があります。


技術的リスクにも揺れる暗号資産:量子コンピューターと51%攻撃

暗号資産の不安定性は、人間の投機マネーの気まぐれだけに由来するものではありません。技術的側面からのリスクも存在します。その代表例が量子コンピューター51%攻撃です。

まず量子コンピューターですが、現在研究が進むこの超高速計算技術は、将来的にブロックチェーンの暗号技術を突破しかねないと言われます。ビットコインをはじめ多くの暗号資産は、公開鍵暗号やハッシュ関数といった従来型の暗号技術に安全性を依存しています。しかし量子コンピューターが実用化されると、現在では不可能に近い膨大な計算を短時間で解いてしまう可能性があります。その結果、ブロックチェーン上の秘密鍵が破られたり、過去のトランザクションの改竄が可能になる恐れが指摘されています。言い換えれば、現状「堅牢」と信じられている暗号資産のセキュリティが、量子的な計算力の前では無力化するシナリオも否定できないのです。

具体的な懸念として挙げられるのが「51%攻撃」の容易化です。51%攻撃とは、悪意ある者がネットワーク全体の過半(51%以上)の計算資源(ハッシュレート)を掌握し、ブロックチェーンの取引記録を書き換えて二重支払い(ダブルスペンド)を行う攻撃です。通常、ビットコインのような大規模ネットワークで51%を獲得するのは非現実的と考えられています。ところが専門家の試算によれば、量子コンピューターを使えば理論上は従来の約26%程度の計算力で同様の支配が可能になるといいます。これは驚くべきことで、悪意ある主体が四分の一程度のハッシュレートを持つだけでネットワークを掌握できてしまう可能性を示唆しています。極端な仮定ではありますが、量子的手段でビットコインの大口アドレスを次々と突破し資産を奪取、チェーンを巻き戻して二重支払いを行う──そんな“悪夢”のようなシナリオすら語られているのです。

もちろん、暗号資産コミュニティもこの脅威に対策を講じようとしています。量子耐性を持つ新たな暗号アルゴリズムへの移行案や、重要資産を安全なウォレットで先行的に保管するサービスなど、技術開発や提案が進められています。しかしブロックチェーンの技術標準をアップグレードするにはコミュニティの合意形成が必要で、政治的調整に時間がかかるのも事実です。量子コンピューターの登場がいつになるか不明な中、対策が後手に回れば甚大な被害が発生し得るという不安は業界内にもあります。

また、量子の話を待つまでもなく、実際に発生した51%攻撃の事例も存在します。ビットコインほどの大ネットワークではなくとも、2010年代後半には小規模な暗号資産で悪意あるマイナー集団が過半数の計算力を握り、不正な二重支払いを行ったケースが報告されました。幸い大きな被害には至りませんでしたが、ブロックチェーンの非中央集権とはいえ、現実にはマイニングプールの寡占化などで中央集権化が進むリスクもあります。もし特定国家や大企業が膨大な資本力でマイニングを牛耳れば、ビットコインですら絶対安全とは断言できません。

以上のように、暗号資産はその価値を支える根幹部分においても不確実性を孕んでいます。「技術がすべて解決するから安心」とは言い切れない世界なのです。長期投資の観点からは、技術進歩に翻弄され大きな変化が起こり得る資産は、やはり安定性に欠けると言わざるを得ません。将来への夢が語られる裏で、量子的脅威やネットワーク支配リスクといった不安材料も存在することを認識しておきましょう。


堅実な長期投資の価値:「退屈」の先にある果実

ここまで、短期的刺激を追う投機の危うさや、暗号資産の不安定さを見てきました。では対照的に、「退屈だが堅実」な長期投資にはどんな価値があるのでしょうか?最後にその点を確認しておきましょう。

長期投資のメリットとして真っ先に挙げられるのが、複利効果(利息が利息を生む効果)を最大限に活かせることです。例えば、米国株式市場(S&P500指数)の長期的な平均リターンは年率7%前後(インフレ調整後)とされています。7%の利回りでも複利で増やせば10年で約2倍、20年で約4倍、30年で約8倍と雪だるま式に資産が膨らみます。実際、過去約100年間の米国株の実質リターンは平均7.2%に達し、どの22年間を切り取ってみてもマイナスになったことは一度もありません。もちろん将来も同じとは限りませんが、歴史が示すのは腰を据えて市場に居続ければ高確率で資産は増やせるという事実です。

長期投資は日々の値動きに一喜一憂せずに済む点も精神衛生上有利です。短期の売買で利益を狙おうとすると、市場の騒音に振り回されストレスを抱えがちです。しかし長期目線で優良な資産に投資していれば、多少の上下動は「大きな流れの中の小さな波」として受け流すことができます。むしろ価格が下がれば安く買い増せる好機と捉え、粛々と積み立てを続けることで将来のリターンを高めることもできます。たとえば日本でも、NISA(少額非課税投資制度)の普及で「毎月コツコツ投資信託を積み立てる」という長期投資が広がっていますが、この手法は派手さこそ無いものの、市場全体の成長を取り込む王道戦略として高く評価されています。楽天証券経済研究所のレポートでも「つみたてNISAは『つまらない』が長期投資成功のカギ」と題し、地味な積立投資の有用性を説いています。退屈に感じるくらいがちょうど良い──それが長期投資の極意なのです。

また、長期投資は複眼的なものの見方計画性を養う点でも有益です。経営者の方なら、自社のビジネスでも短期的な利益より中長期的な成長戦略が大事なように、資産運用も腰を据えて取り組むことで全体像を捉える力が身につきます。日々の相場の波に飛び乗るのでなく、一歩引いて経済や企業の本質価値を見極めて投資判断を下す経験は、ビジネスにも通じる洞察をもたらすでしょう。実際、「投資の神様」バフェット氏は長年にわたり一貫してバリュー(価値)に着目した長期投資で成功し、その哲学は経営戦略としても多くの人に参考にされています。

長期投資が成功しやすいとはいえ、市場には景気循環や予期せぬショックもあります。時には何年もリターンが伸び悩む「冬の時代」もあるでしょう。それでも過去のデータが示す通り、20年30年というスパンで見れば経済は成長してきましたし、分散されたポートフォリオであれば大暴落さえ乗り越え回復してきました。大切なのは、焦らず途中で投げ出さないことです。ここで「退屈だ」と感じてしまう人は、往々にしてピーク時の熱狂に飛び乗り、下落局面で怖くなって投げ売りする──そんな悪循環に陥りがちです。そうではなく、退屈でも続ける者こそ最後に笑う。ゆっくりでも着実にゴールに近づくウサギとカメの寓話のごとく、長期投資の果実は忍耐強く歩む投資家に微笑むのです。


まとめ:「つまらない投資」で築く確かな未来

投資は『つまらない』という発想が出るくらいがちょうど良い」──本記事で一貫してお伝えしたかったメッセージはこの一点に尽きます。派手な値動きや刺激を求めてしまう心理は人間誰しもありますが、その誘惑に負けて投機に傾斜すると、結局は市場の荒波に翻弄され大切なお金を失うリスクが高まります。暗号資産ブームに踊った個人投資家の多くも、「退屈だから」と安全策を嫌ってハイリスク資産に飛び込み、利益どころか損失を抱え撤退した例が少なくありません。

最新のニュースが示す通り、ビットコインのような暗号資産市場は投機マネーが去れば途端に閑散とし、公的機関も「危ないから手を出さない」と距離を置き始めました。トランプ政権のように一見暗号資産を推進する動きがあっても、その裏に私的な思惑や不透明な利権が絡んでいるケースもあります。さらに技術的にも、量子コンピューターの脅威など将来不安がゼロではありません。要するに、短期的な興奮を求めて飛びつくには、あまりに地雷が多いのが暗号資産を代表とする投機的資産なのです。

その点、伝統的な株式や債券、不動産といった資産への長期投資は、一歩一歩は緩やかでも着実に資産形成を進める王道です。もちろんこれらもノーリスクではありませんが、少なくとも実体経済の成長という裏付けがあり、歴史的にもリターンが実証されています。「退屈だ」と敬遠せず、退屈だからこそ安心して続けられるという発想の転換が重要です。

最後になりますが、投資初心者の方は特に、小さくても良いのでまずコツコツ積み立ててみることをお勧めします。毎月の給料から先取り貯蓄の感覚で投資信託やETFを買い続けてみてください。最初は何の変化もなく退屈に思えるかもしれません。しかし1年、3年、5年と経つうちに着実に資産が増えていくのを実感できるでしょう。その頃には、市場の一時的な盛り上がりに振り回されず、長期目線で資産と向き合える自分が育っているはずです。投資の醍醐味は、派手なマネーゲームではなく、こうした地道な努力の先にある安定した豊かさにこそあります。

「退屈な投資」で築く確かな未来──それは決して地味でも格好悪いことでもありません。一時の流行に惑わされず、腰を据えて資産形成に取り組む姿勢こそ、これからの時代に求められる賢明さではないでしょうか。刺激より成果、スリルより安全を選ぶ勇気ある退屈が、皆さんの大切な資産を守り、育ててくれることを心より願っています。


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