はじめに – 知らないと損をする税務調査の世界
「税金なんてできるだけ払いたくない」というのは、多くの経営者の本音でしょう。しかし、行き過ぎた節税や誤った判断は、税務署からの厳しい追徴課税や経営の信用低下を招きかねません。国税庁は近年、人工知能(AI)や膨大なデータを活用して申告漏れの可能性が高い納税者を抽出し、効率的かつ深度の深い調査を行うと公表しています。AIによるデータ分析では、不自然な収入増や取引のパターンを検出してリスト化し、リスクが高い納税者に対して重点的な調査を実施する体制が整いつつあります。正しい申告と証拠の保管がこれまで以上に重要になっているのです。
こうした背景のなか、「税金坊」こと元国税調査官・根本和彦さんが、現場で得た実体験を語るYouTubeライブ「税金坊流節税【4夜連続ライブ】」を開催しました。第1夜は「知らないとヤバい!税務調査の真実」と題し、税務調査の裏側や納税者が知っておくべきポイントを惜しみなく語っています。この記事では、第1夜の内容を中心に、節税に興味を持つ経営者の皆様へ役立つ情報をまとめました。
・元調査官が明かす税務調査の現場 – 公平な課税は幻想? ・電子帳簿保存法の誤解 – 本当にやるべきことは? ・秋は調査が厳しい!税務署のスケジュールを知ろう ・AI時代の税務調査 – 国税庁が見ているもの ・経営者が知っておくべきコミュニケーションのポイント ・セミナーへのご案内:アーカイブを無料受講 ・まとめ – 「税務調査の真実」を知り、賢く備えよう ・知らないとヤバい!税務調査の真実/私が現役の調査官時代の実例をお話します。【4夜連続ライブ①】 ・書籍紹介
元調査官が明かす税務調査の現場 – 公平な課税は幻想?
根本さんは冒頭で「税務署は適正・公平な課税を目標としていると法律には書かれているが、現場は必ずしもそうなっていない」と指摘しました。実際には税金を取りやすい納税者から優先的に徴収する傾向があること、また調査官の裁量が大きく、担当者によって結果が大きく変わることを経験談を交えて説明しています。納税者の情報弱者は狙われやすく、税金リテラシーの高い人や手間のかかる人は後回しになる――この現実を理解したうえで、自らを守る知識と交渉力を持つ必要があると訴えました。
特に注意すべきは、調査官が帳簿や領収書の原本を持ち帰る「止め置き」の要求です。これは法律上納税者が応じる義務はなく、会社内で閲覧させるだけで十分です。しかし最近の調査官は人員不足や経験不足から安易に原本の持ち帰りを求めるケースが増えており、応じてしまうと納税者に不利な調査が長期化する危険があります。根本さんは止め置きを拒否するのは納税者の正当な権利であり、拒否したことを理由に不利益な処分はできないと強調しました。
電子帳簿保存法の誤解 – 本当にやるべきことは?
2024年から本格適用された改正電子帳簿保存法により、電子取引のデータは電子保存が義務付けられました。これにより「帳簿や請求書を全て電子データで提出しなければならない」と誤解する人がいます。しかし国税庁の解説によれば、会計ソフトなどで作成した帳簿書類は必要な要件を満たせば印刷せず電子データのまま保存することができますが、紙で保存することも引き続き認められており、電子データを税務署に提出する義務はありません。納税者が選択できる制度であることを理解し、書類の保存方法に惑わされないようにしましょう。
秋は調査が厳しい!税務署のスケジュールを知ろう
税務調査が最も盛んになるのは毎年9~11月の秋といわれています。税務署の年間スケジュールでは、7~8月は事務年度の引き継ぎ期間、12~3月は確定申告の繁忙期で調査が制限されるため、秋に調査官のノルマ達成に向けた本格調査が集中します。秋の調査は期間が長く厳しさも増し、重いペナルティが課される傾向があることが税理士のアドバイスとして紹介されています。
税務調査の対象になりやすい企業の特徴として、売上や利益率の急増・急減がある企業が挙げられます。売上が急激に伸びると、申告漏れや不正がないかを詳しくチェックされやすく、黒字企業は追徴課税による税収増が見込めるため赤字企業より調査対象になりやすいと指摘されています。また赤字が続くなかで多額の設備投資を行う企業も資金の出所や経費計上方法を疑われやすく調査の対象になりやすいとのこと。こうした傾向を知り、日頃から帳簿や領収書を正確に整え、税理士と定期的に相談してリスクを減らすことが重要です。
AI時代の税務調査 – 国税庁が見ているもの
近年、国税庁は税務行政のデジタルトランスフォーメーションとして、AIやデータ分析を導入しています。国税庁の資料によれば、AIを活用して幅広いデータを分析し、申告漏れの可能性が高い納税者を判定する仕組みを構築中です。これまでの申告データや銀行の入出金データ、過去の調査実績などを基にAIがリスクの高い事業者を抽出し、深度ある調査を行うため、調査対象が絞られた分だけ調査が厳しくなる可能性があります。
AI活用によって追徴課税はすでに増加傾向にあります。2024年にNHKや日経新聞が報じたところによると、所得税や法人税の追徴課税が過去最高額に達し、その理由としてAI導入による申告漏れ事案の抽出が挙げられています。このように、税務調査は“量より質”へとシフトし、データに基づく選抜調査が普及しているのです。経営者は「税務署はうちのような小さな会社に来ないだろう」と油断せず、日頃から帳簿や証憑の整備を怠らないことが求められます。
経営者が知っておくべきコミュニケーションのポイント
第1夜の後半では、税務調査で調査官とどのように向き合えば良いかが語られました。仙台の税理士法人による解説では、調査官には通常の礼儀をもって接し、敵視したり必要以上に媚びたりする必要はないと説明しています。調査官は身分証明書を提示する義務があるため、必ず確認し、調査の目的や内容を把握したうえで対応することが大切です。
調査時の会話では余計なことを話し過ぎないよう注意し、同業他社の批判や噂話を避け、質問に対して誠実に答える姿勢が重要です。調査官は雑談から情報を引き出すプロであり、無駄な発言は思わぬ誤解を招きます。また調査官の背後には統括調査官や税務署の上司が控えており、担当者の裁量だけでなく組織の方針やノルマも影響するため、調査官と良好なコミュニケーションを保ちながらも自社の権利はしっかり守ることが必要です。
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2. グレーゾーンの具体例とリスク評価方法
3. 調査官の本音に基づく交渉術
4. 成功した経営者が実践する長期的な資産防衛策 5. セミナー参加者限定で紹介する最新税制情報
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まとめ – 「税務調査の真実」を知り、賢く備えよう
第1夜ライブは、税務調査の現場を知る元調査官ならではのリアルな情報が満載でした。主なポイントをまとめると以下のとおりです。
2. 帳簿や領収書の原本を持ち帰る「止め置き」は法的な義務ではなく、納税者は拒否できる。
3. 電子帳簿保存法では帳簿の紙保存も認められており、データ提出義務はない。
4. 税務調査が集中する秋は特に厳しい。売上の急増や赤字なのに多額の設備投資といった特徴がある企業は調査対象になりやすい。
5. 国税庁はAIを使ったデータ分析で高リスクの納税者を抽出しており、正しい申告と証拠保管がこれまで以上に重要。
6. 調査官には礼儀正しく接しつつ、身分証の確認や質問への誠実な回答を心がけ、余計な発言は控える。
AI時代の税務調査は、規模の大小に関わらず全ての事業者が対象になり得ます。「知らないとヤバい!」という言葉は決して誇張ではありません。国税庁の動向や最新の法律を正しく理解し、税務署とのコミュニケーション力を磨くことが、これからの節税には欠かせない要素です。
第1夜のライブをまだご覧になっていない方は、ぜひYouTubeのアーカイブでチェックしてみてください。根本さんの豊富な経験談から、税務調査に対する正しい備え方や、国税との上手な付き合い方が学べるはずです。次回の第2夜では、「危ない節税と失敗事例」をテーマに、具体的な節税の落とし穴が解説されます。シリーズを通じて、合法的で長期的に安心できる節税術を身につけていきましょう。