2025/10/08

若くして使える!4%ルールで資産を守りながら夢を叶える方法

はじめに

投資を始める理由は人それぞれです。「老後のために資産を増やしたい」「家族の夢を叶えるために貯めたい」など、目的によってゴールも違います。しかし、多くの人は「増やすこと」ばかりに目が向きがちで、資産を実際に使う方法まで考えられていないことがあります。小川も、最近のご相談の中で「資産を減らさずに上手に使いたい」というお声をいただくことが増えています。そこで本記事では、資産を使いながら長持ちさせるための「4%ルール」と定率取り崩し戦略について、最新のデータや事例を交えながら解説します。



資産の取り崩しを考えるタイミング

資産を取り崩す場面は定年退職後だけではありません。若いうちに事業が軌道に乗り、早期リタイアを検討する方もいますし、子どもの教育資金や住宅購入資金などライフイベントに合わせて資金を使うこともあります。重要なのは「いつ使いたいか」を明確にし、必要なタイミングに向けて準備しておくことです。

たとえば、赤ちゃんが生まれた年から大学入学までの17~18年間、毎年地金型金貨を一枚ずつ積み立てるとします。子どもが大学に進学する際、その金貨を売却すれば学費に充てることができ、金価格が上昇していれば資産を減らさずに済む可能性もあります。目的に合わせた資産構築が、将来の安心につながります。


定額取り崩しと定率取り崩し – 日経記事から学ぶ

資産を取り崩す方法には、毎月一定額を売却する「定額取り崩し」と、残高の一定割合を売却する「定率取り崩し」があります。

日本経済新聞の記事では、2,000万円の資産を25年間取り崩すシミュレーションが紹介されています。月10万円ずつ定額で取り崩す場合、1995年からの各期間を計算すると、25年後に平均3,860万円残り、最良の期間では1億円以上に増えたケースもありました。しかし、株価低迷期に同じ金額を取り崩すと保有量が急減し、後半に株価が回復しても恩恵を受けにくいことが課題です。

一方、資産残高の0.34%(年率約4%)を毎月取り崩す定率方式では、最悪期でも25年後に1,750万円残るという結果になりました。取り崩し額は相場に応じて増減するため資金計画が立てづらいものの、株価低迷期には取り崩し額が減るため資産が長持ちします。このように、定額取り崩しは毎月の生活費を安定させやすい反面、資産寿命が短くなる可能性があり、定率取り崩しは資産を長く保ちやすいものの、毎月の収入が変動するという特徴があります。


4%ルールの基本 – 歴史と考え方

定率取り崩しの代表例として有名なのが「4%ルール」です。

米国のファイナンシャルプランナー、ビル・ベンゲン氏が1990年代に提唱し、トリニティ大学の研究でも検証されたこのルールは、退職時の資産の4%を初年度に取り崩し、その後はインフレ率に応じて取り崩し額を調整するというものです。たとえば1,000万円の資産がある場合、1年目に40万円を取り崩し、次年度は物価上昇率2%なら40万8,000円を取り崩します。ベンゲン氏は歴史的な株式と債券のデータを分析し、4%の取り崩し率でも33年以上資産が枯渇しないケースが多かったことを示しました。

Kohler Credit Unionの解説によると、4%ルールは退職後約30年間資産を維持するための指針であり、バランスの取れたポートフォリオ(通常は株式50~75%、残りを債券)を前提としています。初年度に総資産の4%を取り崩し、その後は毎年インフレ率を上乗せして取り崩し額を増やすことで購買力を維持します。この方法の利点はシンプルで分かりやすく、歴史的に30年程度の期間なら資産が持続した例が多い点です。ただし、市場環境や寿命が想定より長くなる場合は取り崩し率を柔軟に調整する必要があり、高インフレや長寿社会では3%や5%など別の水準も検討されます。


定率取り崩しのメリット – 資産を減らさず使うために

4%ルールを含む定率取り崩しには、資産寿命を延ばす工夫が詰まっています。日本経済新聞の記事では、定率方式が株価低迷期の大量売却を防ぎ、資産枯渇を抑えやすいことが強調されています。市場が下落している時期は取り崩し額が減るため、安値で多く売ってしまうリスクを避けられます。また、市場が好調なときに多めに取り崩せた分を現預金としてストックし、不調時に補填する“バケツ”のような運用も提案されています。バランス型投信を使うことで取り崩し額の変動幅を抑えることもでき、世界株式100%よりも安定的なキャッシュフローを得られると紹介されています。

定率取り崩しの主なメリットは次の通りです。

⚫︎ 資産寿命が延びやすい
運用しながら残高の一定割合だけを取り崩すため、相場の回復局面の恩恵を受けやすく、長期的に資産を残しやすい。

⚫︎相場下落時のダメージを抑制
取り崩し額が残高に連動するため、株価が下がった時は売却額も減り、安値で大量に売るリスクを減らせる。

⚫︎柔軟なライフプランに対応
取り崩し額が毎年変動するため、たとえば早期リタイア後の収入減や子育て中の出費増などライフイベントに合わせて調整しやすい。

一方で、取り崩し額の変動で毎月の予算が組みにくい点や、長期的な株式比率が高いほど変動幅が大きくなる点には注意が必要です。特に退職後すぐに市場が下落した場合、取り崩し額が急減する可能性があるので、現預金や金など換金しやすい資産を一定割合持っておくと安心です。


金と株式 – 出口を意識した資産構築

資産を「増やす」と「使う」を両立させるには、出口で使いやすい資産を組み合わせることが大切です。投資初級者~中級者の場合、株式と金の2本柱で考えると分かりやすいでしょう。

◼︎1 株式の魅力
世界株式や日本株式などの株式資産は、長期的に平均年率7~8%程度のリターンが期待できると言われています。定率取り崩しでも25年間で取り崩し額以上に資産が増えた期間が多かったことは、この高い期待リターンのおかげです。株式は価格変動が大きい反面、長期保有で成長の果実を享受しやすいので、4%ルールの前提でも一定割合の株式を組み込むことが推奨されています。

◼︎2 金(GOLD)の魅力
金は利息や配当を生まないため価値の保存手段として有効です。世界的に情勢が不安定な時期でも価値が大きく下落しにくく、歴史的に長期的なインフレヘッジとして機能してきました。金貨や地金など形のある資産は、換金手続きが簡単で、急な出費にも対応しやすいのが特徴です。たとえば、子どもの教育資金を備えるために毎年金貨を購入し、大学入学時に売却して学費に充てるといった使い方が考えられます。金価格は円安や世界の需給によって変動しますが、長期的には購買力を守る役割が期待でき、株式とは違ったリスク分散効果があります。(現在、株式のような高い成長力を持つようにもなりました。金は攻めと守りを手に入れられる唯一の投資商品です。)

◼︎3 株式と金の組み合わせ
株式の成長力と金の価値保全力を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを調整し、出口での取り崩し計画を柔軟にできます。株式が好調な年には定率取り崩しで多めに現金化しておき、金価格が高い時期には一部を売却して生活費や教育費に充てるといった方法が有効です。また、金を毎年一定量積み立てることで、定率ルールの取り崩し額が減った年でも安定した現金化資源を確保できます。こうした出口を意識した資産構築は、「増やす」段階から考えることが重要です。


使いたい時に使える資産構築 – バッファの重要性

定率取り崩しでは取り崩し額が変動するため、生活費が不足する場合に備えたバッファが欠かせません。日本経済新聞の記事でも、半分を現預金で持ち、取り崩し金額が小さい月は現預金で補うという投資家の事例が紹介されています。

資産の半分程度を現預金や短期国債、金など換金しやすい資産で保有しておけば、相場が下落して取り崩し額が減った年でも生活水準を維持できます。逆に、市場が好調で取り崩し額が増えた年は、余剰分を再投資したり将来の備えとして貯蓄したりすることができます。こうしたバケツのような仕組みを作ることで、資産を減らさずに安定的に使うことが可能になります。


投資の騰落に一喜一憂せず、長期的な視点を持とう

運用中の資産の価格は日々変動します。特に株式は値動きが大きいため、短期的な下落に動揺して売却してしまうと、その後の回復の恩恵を受けられません。日本経済新聞の記事でも、ITバブル崩壊やリーマンショックなどの株価低迷期が取り崩し結果に大きな影響を与えたことが示されています。しかし、長期で見ると株式が平均年率8%程度で成長してきた事実もあります。市場の騰落に一喜一憂せず、出口戦略を意識した長期投資を続けることが、資産を減らさずに使う最大のポイントです。


まとめ – 自分に合った取り崩し率を探そう

“資産を減らさず使う”ための4%ルール定率戦略は、退職後に限らずさまざまなライフイベントに応用できます。大切なのは下記のポイントです。

⚫︎目的とタイミングを明確にすること
使いたい時期と目的に合わせて資産構築を行う。早期リタイアや子育て費用などケース別に計画する。

⚫︎定率取り崩しと定額取り崩しの違いを理解すること
定率は資産寿命を延ばしやすく、定額は毎月の生活費が予測しやすい。自身の性格や必要資金に応じて組み合わせる。

⚫︎株式・金・現預金をバランス良く持つこと
株式の成長力と金の価値保全力を活かし、取り崩し額が減る時期に備えたバッファを用意する。

⚫︎長期目線と柔軟性を持つこと
市場環境やライフプランの変化に応じて、取り崩し率や資産配分を見直し、無理のない範囲で資産を増やしながら使っていく。

日本人は投資が苦手と言われがちですが、実際には「使う」ことのほうがさらに難しいと感じます。4%ルールは万能ではありませんが、資産を減らさずに活用するための良い出発点です。自分に合った取り崩し率を探し、資産を長持ちさせながら夢や目標を叶えるために、今日から準備を始めましょう。


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