2025/10/28

金の買い時継続! 米株最高値で進む“金の押し目買い”戦略

はじめに:米中緩和ムードで株高・金安の展開に

2025年10月末のニューヨーク市場は、「リスクオン」のムードが広がり、米国株式が連日で過去最高値を更新する活況となりました。米中首脳会談への期待感から、中国のレアアース輸出規制延期や対中追加関税見送りといった緊張緩和のニュースが相次ぎ、市場心理が一気に明るくなりました。特にハイテク株中心のナスダック総合指数やS&P500指数は窓を開けて大幅上昇し、歴史的高値を次々と塗り替えています。

一方、安全資産とされる金(GOLD)の価格は短期的に調整局面を迎え、ニューヨーク金先物価格が一時1トロイオンスあたり4,000ドルを割り込む場面も見られました。このように株高局面で金が下落する動きは決して珍しいものではありません。実際、金と株式は一般的に逆相関の関係があり、金価格が上がる局面では株式が下がり、株式市場が好調なときには金が下落しやすい傾向があります。短期的な値動きに過剰に動揺する必要はなく、むしろ長期的な資産形成の視点では「金の買い増し好機」と捉えることができるでしょう。



株高で金安はよくあるパターン:慌てずチャンスと捉える

株式市場の急騰局面で金価格が一時的に下落するのは、歴史的にもよく見られるパターンです。投資家がリスクオン(リスク選好)に傾き、株式や他のリスク資産に資金が流れ込むと、安全資産である金から一時的に資金が引き揚げられる傾向があります。今回も米中関係改善への期待や米金融緩和観測などを背景に、投資マネーが株式へ一斉にシフトしたことで金が調整局面に入ったと考えられます。実際、「米中貿易協議が前進し緊張緩和が進む」とのニュースは市場に安心感を与え、投資家の心理が一気にリスク選好に傾きました。その結果、「株高・金安」の動きが鮮明になったのです。

しかし、これは決して金の価値が損なわれたことを意味しません。前述の通り、金と株はシーソーのような関係を持つことが多く、株価が力強く上昇している局面で金がある程度値下がりするのは自然な現象です。たとえば「安全資産の需要が後退し、S&P500が新高値を付けたため金は押し下げられた」と指摘する市場関係者もおり、目先のリスクオン相場で金が一服するのは織り込み済みとも言えるでしょう。

大切なのは、この一時的な下落局面に慌てて金を手放すのではなく、むしろ「押し目買い」の好機と捉えることです。金は足元では年初来で50%以上も上昇しており、長期的な上昇トレンドの中にあります。強気相場の中での一時的な調整は健全な値動きであり、長期投資家にとっては割安に追加投資できるタイミングとも言えます。「窓を開けて」急騰する株式相場に目を奪われがちな局面こそ、金の存在意義を再確認し、コツコツと持ち高を増やすチャンスではないでしょうか。


長期マネーが支える金:国家・中央銀行の動向に注目

金市場を長期的な視点で見渡すと、各国の政府や中央銀行といった“大口の長期投資家”が金を下支えしていることが分かります。実際、世界の中央銀行はリーマンショック後から今日まで約16年連続で金を純購入し続けており、その量は年々増加傾向にあります。2022年以降は年間1,000トンを超える規模で金を買い増しており、2025年も年内に約900トン近くの純購入に達する見通しです。さらにワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調査によれば、今後5年間で各国の準備資産に占める金の比率は一段と上昇し、逆にドル資産の比率は低下していくと予想されています。これは過去10年間の平均購入量の2倍以上に相当し、4年連続で異例の高水準を維持している計算です。

各国の中央銀行がこれほどまで金を買い増す背景には、地政学リスクやドル基軸体制への警戒感、インフレへの備えなど様々な要因があります。たとえば、ロシアの外貨準備凍結を契機に「ドル離れ」の動きが強まった新興国は、準備資産として金の保有比率を高めています。実際、一部報道によれば各国の中央銀行が保有する金の価値が米国債保有額を30年ぶりに上回ったとも伝えられており、国家レベルで「信用できる最後の価値の拠り所」として金に資金を振り向けている現状がうかがえます。さらに、たとえば中国の中央銀行(中国人民銀行)は昨年末から金準備の積み増しを再開し、最新統計でも11カ月連続で金保有量を増やしています。

こうした長期マネーの存在は、金価格の下支え要因として無視できません。短期的な市場センチメントで金が売られる場面でも、各国中央銀行や政府系ファンドがしっかりと買い支える構図が続いています。言い換えれば、金の価値には国家レベルの信認があるということです。したがって、私たち個人投資家も目先の値動きに振り回されることなく、この長期の流れに沿って腰を据えた投資判断を行うことが重要だと言えるでしょう。


株も金も史上最高値圏:環境変化を見極め主体的な判断を

現在、米国株式市場と金市場がいずれも歴史的な高値圏にあるという点にも注目すべきです。株式市場は好調な企業業績や米中関係改善の思惑、金融緩和期待を追い風に連日で最高値を更新しています。一方で金もまた、地政学リスクやインフレ懸念を背景に2025年に入ってから急伸し、10月上旬にはニューヨーク金先物が初めて4,000ドルの大台を突破するなど、過去に例を見ない水準まで価格が上昇していました。まさに株も金も「強気の極み」にある状況と言えます。

興味深いことに、こうした局面ではFRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和(利下げ)期待が両市場を同時に押し上げる要因にもなっています。金利低下やドル安の観測が強まると、資金調達コスト低下を見込んだ株式の買い材料になると同時に、ドル建てで取引される金にとっても追い風となり得るのです。

このような局面では、「いつまでも上がり続ける相場はない」ことを念頭に置きつつ、自身のリスク許容度と投資目的を再確認することが大切です。短期的には米中首脳会談の結果や各国の金融政策、地政学情勢次第で市場の雰囲気ががらりと変わる可能性があります。たとえば、期待されている米中協議が不調に終わったり、主要ハイテク企業の決算が市場予想を下回ったりすれば、目前の「リスクオン」ムードが一転し、再び「有事の金買い」が脚光を浴びる展開も十分に起こり得ます。

大事なのは、流れに乗ることと同時に冷静さを保ち、自分なりの相場観を持って臨むことです。株式も金も上昇しているからといって焦って高値で飛び乗る必要はありませんが、一方で今回のように金が押し目をつけたタイミングでは、過度に悲観せずに自信を持って自分の戦略を実行に移すことが求められます。長期的な資産ポートフォリオの中で株式と金のバランスをとりながら、経済情勢の変化に応じて柔軟にリバランスしていく姿勢が重要でしょう。


おわりに:落ち着いた視点で長期の有利な展開を掴もう

今回の米中緩和ムードによる株高・金安の動きは、短期的にはマーケットの資金移動に伴う一時的な調整と見ることができます。初心者の方ほど急激な金価格の変動に戸惑うかもしれませんが、むしろ経験則に照らせば「想定内の動き」と言えます。重要なのは、その裏側で進行している長期トレンドを見極めることです。各国の中央銀行や長期投資家が金の価値を支え、世界的なマネーフローが金に向かっているという大局観を持てば、目先の下落局面にも冷静に対処できるでしょう。

株式市場と金市場が共に歴史的高みにある今だからこそ、浮ついたムードに流されず中立的で落ち着いた視点を持つことが肝要です。リスクオンとリスクオフがめまぐるしく入れ替わる環境下で、自分の投資軸をしっかり保ちながら、適切なタイミングで金を買い増ししていきましょう。それが将来、大きな果実をもたらす長期投資の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

このように、大局を捉えた落ち着いた投資姿勢こそ、市場の波に惑わされず資産を着実に育てる鍵となるでしょう。


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