2025/10/07

金は今が最安値!!〜 年末『1g = 25,000円』時代がやってくる!〜

はじめに:2025年の市場環境を振り返る

2025年は金(ゴールド)にとって記録的な一年となりました。日本経済新聞の電子版によれば、国内の金価格は10月6日の時点で1グラム2万747円と歴代最高値を更新し、ニューヨーク先物は一時1トロイオンス3,950ドル台、ロンドン現物価格も初めて3,900ドル台を突破しました。米連邦政府機関の一部閉鎖により米雇用統計が公表されず、金融政策運営への不安から安全資産としての金需要が高まったことも背景にあります。世界的な不確実性と円安が重なった結果、円建て価格は一段と押し上げられ、大阪取引所の先物価格も1グラム1万9,000円台を記録しました。

金価格の上昇は日本に限った現象ではありません。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、2025年上半期の金価格が米ドル建てで26%上昇し、2024年の急騰に続いて記録的な展開となったと報告しています。米ドル安とレンジ内にとどまる金利、そして地政学的不安が組み合わさり、金への投資需要が強まったことが大きな要因です。中央銀行による買い付けやETFへの資金流入も金価格を押し上げ、同団体は金の投資需要が今後も堅調に続くと予測しています。こうした環境の中で、年末には1グラム25,000円(1オンス80万円)という価格が現実味を帯びています。

しかし、単に価格が上がった・下がったで一喜一憂するのではなく、今のような局面こそ市場全体を俯瞰し、投資に対する姿勢を確認することが大切です。今回は、金だけに投資初心者~中級者の方が年末へ向けて意識したいポイントを整理します。



金価格はなぜここまで上昇しているのか

ワールド・ゴールド・カウンシルの報告によると、2025年上半期は中央銀行の金購入が続き、金ETFの保有量は前年末から397トン増加し過去数年で最高水準となりました。複数の新興国が外貨準備の分散化を進める中で金保有を増やしたことや、米ドルの役割に対する疑念が広がったことが背景にあります。こうした動きは金市場の底固さを支えています。

投資家の需要も旺盛です。世界銀行のデータブログは、2025年上半期に金への投資需要が急増し、2022年以来の高水準となったと指摘しています。地政学リスクや政策不透明感が高まる中、投資家は安全資産として金を選好し、金ETFや店頭取引の取引高が史上最高の1日あたり3,290億米ドルに達しました。これらの需要要因が価格上昇の基盤となっています。

2025年は米国の政治動向が金融市場に大きな影響を与えています。トランプ政権が発動した「解放の日」関税により米国株は4月に大きく下落しましたが、その後関税が延期されると反発し、S&P500は第2四半期で10%超上昇し過去最高値を更新しました。一方で高水準の株価バリュエーションは上値を抑える要因となっており、JPMorganなどは年後半の株式市場がレンジ内で推移するとの見方を示しています。こうした株価の高値警戒感が、安全資産としての金への資金シフトを促しています。

また、米連邦政府の一部閉鎖により労働統計の発表が延期され、市場に不透明感が漂いました。金価格関連の情報サイトでは、政府機関の閉鎖が9月の雇用統計発表を遅らせ、投資家が民間の調査に頼らざるを得なくなったと述べています。この不安が金相場を押し上げ、金先物価格は一時1オンス3,900ドルを超えました。

大手金融機関も金に強気です。ロイター通信によれば、ゴールドマン・サックスは2025年末の金価格予想を従来の1オンス3,300ドルから3,700ドルへ引き上げ、2026年半ばには4,000ドルに達する可能性を指摘しています。さらに、米国債市場の資金の1%が金に再配分されれば金価格が5,000ドルに近づくと同社は試算しています。金融機関の強気な見通しは投資家心理を支えていますが、一方でこうした予測に過度に依存するリスクも意識しておきましょう。

金だけでなく株式市場全体の動きも把握することで投資判断の質が高まります。2025年上半期、米国株は貿易政策による激しい値動きを見せながらも、最終的に史上最高値で締めくくりました。しかし高い株価バリュエーションから上値は限定的とされ、複数の投資家がレンジ相場を想定しています。

一方、日本株は円安や企業業績の改善を背景に意外高を演じています。日経平均株価は2025年夏に過去の高値を上回り、メディアでも「新しいNISA」が個人投資家の追い風になると報じられました。ただし、円安が急激に進む中で利益確定の動きも出ており、一部のアナリストは海外投資家の動向や国内経済政策の影響に注意を促しています。

その他のコモディティでは、原油価格がOPEC+の減産調整や地政学リスクを背景に変動し、暗号資産(仮想通貨)はビットコインが史上最高値を更新するなどリスクオンとリスクオフが交錯する展開が続きました。こうした環境下で、ポートフォリオを多様化しリスク分散を図る重要性が増しています。


年末に向けて注目したい3つのポイント

金価格が2万5,000円/グラムに近づく局面で、価格だけに踊らされないための視点を整理します。

⚫︎1 各種指標の動き
米国の雇用統計や消費者物価指数(CPI)、政策金利、ドル円相場などは金価格に直結します。特に米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げは金に追い風となる一方、想定外の利上げは下落要因です。国内では日銀の金融政策や日本政府の財政出動も円建て金価格に影響します。指標発表前後に市場がどのように反応するのか、自ら数値を確認しながら判断しましょう。

⚫︎2 メディアの報道姿勢
金価格が上昇すると、「まだまだ上がる」「今からでも間に合う」といった強気な見出しが増えます。逆に下落局面では「バブル崩壊」といった煽り記事も出てきます。報道は投資家心理に影響するため、複数メディアを比較してバイアスを認識することが大切です。特定のニュースに過剰反応せず、事実と論調を分けて読みましょう。

⚫︎3 評論家・アナリストの意見
専門家の意見は参考になりますが、必ずしも正解ではありません。ゴールドマン・サックスのように強気予想を出す機関もあれば、中立や弱気の立場を取る専門家もいます。背景となる前提条件や統計データを確認し、自分のリスク許容度に照らし合わせて活用する姿勢が大切です。

上記3点を自分でチェックできるようになると、SNSやニュースに踊らされずに済みます。逆にこの習慣が身に付かないと、一生他人の投資情報に振り回されることになるかもしれません。投資には「情報リテラシー」がとても重要です。


投資初心者~中級者へのアドバイス

金価格が節目の水準を超えると「買わなければ損」「今買わないと乗り遅れる」といった焦りが生まれます。しかし、価格水準そのものに意味はありません。過去に1グラム1万円を超えた時も、同じような議論が巻き起こりました。重要なのは自身の投資目的と資産配分です。長期的な資産形成を考えるなら、定期的に少額ずつ積み立てる「ドルコスト平均法」などの手法でリスクを平準化し、価格急変動に一喜一憂しない姿勢を持ちましょう。(田中貴金属工業などの純金積立は手数料が高いのでお勧めしません。こちらの記事を参考にしてください

金に関心を持つ方の多くは、すでに株式投資も経験されているのではないでしょうか。株式は企業価値の成長によるリターンが期待できる一方、景気悪化や政策リスクに敏感です。2025年の米国株は高バリュエーションで推移しており、予想外の政策変更があれば下落幅も大きくなり得ます。金はリスクヘッジとして機能するため、株式と金をバランス良く組み合わせることでポートフォリオ全体の変動リスクを軽減できます。ただし、金にもボラティリティがありますので全資産を金に振り向けるのではなく、リスク許容度に応じて割合を調整することが重要です。(ただし直近では株式と金は同じように上昇しています。その理由を認識できる方は教科書的な金のリスクヘッジ活用ではなく、〝市場のニューノーマルに対応した〟金のリスクヘッジ活用として取り入れてみてください。)

金へ投資する手段には、ETFや先物取引、純金積立などさまざまありますが、初心者が扱いやすいのが地金型金貨です。サイズによりますが1枚あたり20~40万円台から購入でき、世界共通の価値を持つため換金しやすい特長があります。自宅での保管が心配な場合は、ショップの保管サービスを利用すると良いでしょう。少額からコツコツと買い増しし、数年単位で保有することで、日々の価格変動に左右されにくい資産形成が可能です。(銀行の貸金庫や第三者サービスは除外しましょう。)


まとめ:自分の軸を持つ

2025年は金が歴史的な高値を更新し、市場全体も大きな転換点を迎えています。年末に向けて1グラム25,000円(1オンス80万円)が視野に入ってきました。しかし大切なのは価格水準そのものではなく、市場全体の動きを理解し、自分の投資方針を持つことです。中央銀行や投資家の需要が強まる背景、米国の政治・金融政策の不透明感、株式市場の高バリュエーションなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って金価格が動いていることを知りましょう。

最後に、情報に流されない姿勢を身に付けることが資産形成への近道です。指標・報道・評論家の3点をチェックする習慣を持ち、金だけでなく株式や他の資産とのバランスを取りながら長期的な視野で行動しましょう。地金型金貨を含む実物資産を味方につけることで、不測の事態にも備えられます。参考にしてください。


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