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はじめの一歩

金融商品として「生命保険」を選びますか?

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著作家で経済評論家の勝間和代さんが著書「お金は銀行に預けるな」の中でこのようなことをおっしゃっていました。

こちらの書籍です。

これまで日本人がリスクのある金融資産を持たなかった大きな理由が二つあります。
一つが先ほどから説明してきた住宅ローン、すなわち不動産投資が大きかったためです。
もう一つが、この生命保険です。これまでは生命保険が投資信託の役割を果たしていたので、金融商品としての投資信託をわざわざ買う必要がなかったのです。(引用)

日本人の資産のポートフォリオ(配分)の中で、「住宅ローン」と「生命保険」が占める割合が大きいので、株や投資信託などの金融資産を持てる余裕が生まれなかったとも述べられていました。

2007年の少し昔の本ですが、わかりやすく初心者の方におすすめの本です。

確かに、実感としても子育て世代の多くの家庭では「住宅ローン」を抱えていて、
なおかつ「生命保険」にも加入していますよね。

今回は、金融商品として「生命保険」を考えていますか?というお話です。

「生命保険」ってどんなもの?

と聞かれたら、あなたはどう答えますか?

  • 死亡時に多額の保険金が受け取れる
  • 病気やケガをしたときに給付金が受け取れる
  • 貯蓄と同じようにお金を増やすことができる

このようなものですよね。

この、

貯蓄と同じようにお金を増やすことができる

というイメージが1番に浮かんだ方は少し危険かもしれません。

「積立は全部保険でやっています!」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

確かに、

子供の学資金の備えとして「学資保険」
将来の公的な年金の足りない分の備えとして「個人年金保険」
10・15・20年など一定期間で満期金を受け取れる「養老保険」
その他にも、解約返戻金の溜まりがある「終身保険」など

明確に人生の中で必要な資金を貯められるわかりやすい名前のついた保険がたくさんあります。

そして、保険会社の営業マンは保険を販売するのが仕事ですのでもちろんですが、親御さんや目上の方にも

「保険は掛け捨てじゃなくて、終身の方がいいよ」とか
「生命保険は貯金にもなるから入っておけ」
などとアドバイスをもらったこと、なかったでしょうか?

ところが、このようなアドバイスには注意が必要だと感じています。

というのも、もしあなたが20代~40代の方であれば、先ほどアドバイスをくれたあなたの親世代となる50代以上の方は俗に言う「お宝保険」をお持ちで「保険はお金を貯められるもの」という認識のある方が多くいらっしゃるからです。

生命保険会社の職員が通称「お宝保険」と呼ぶ、終身保険・養老保険・個人年金保険など貯蓄性の高い保険とは、契約者が払い込んだ保険料総額の2,5倍~3倍にもなって将来お金が返ってくる保険のことです。

このような商品をお持ちの方は、

生命保険=資産を増やせるもの」と認識していてもおかしくはありません。

今現在販売中の生命保険からすると信じられない様な利率の良い貯蓄性保険商品が、バブル景気の頃からバブル崩壊後間もなくまで販売されていました。

因みに、保険会社が使う予定利率とは実際の保険商品の利回りのことではなく保険会社が保険料を決める際に使われる想定の運用利回りのことなのですが、予定利率が高い保険商品ほど(お客様からいただく保険料を保険会社が運用して大きな利益が得られると予定しているので)、月々の保険料は割安になり将来戻ってくるお金は大きく増やして契約者にお返しますよという契約内容になります。

そして、生命保険は一般的に契約時の予定利率は固定される為、保険会社がその後どんなに予定利率を下回った運用成績しか出せなかったとしても契約中の保険の内容を変更することはできないので契約者へ約束した金額を支払わないといけません(逆ざやと言います)。

下記に保険会社が予定利率を決めるときの基準となる標準利率の推移を記載します。
(標準利率は金融庁が国債の利回り等から算出して設定しています)

予定利率は保険会社独自で決めるため、正確には多少のブレはありますが「お宝保険」が販売されていた赤色の1976年~1993年頃と現在の2020年以降の標準利率を比べてみると大きな差が見えてくると思います。

(Wikipedia掲載情報を元に作成※1976年~1985年は20年越え・1990年は10年超の数値を記載)

このように、予定利率が高かった時代に生命保険を持つということは、資産運用を生命保険会社に任せていることと同じで「確定の利回りの良い金融商品をもつ」選択肢でした。

ですので、そのような「お宝保険」に加入している人からすると、生命保険のイメージはいまだ「お金を増せる金融商品」となるのです。

しかし現在では、「お宝保険」と呼ばれるような利率の良い保険はどこにも販売していません。

生命保険には以下の2つの側面があります。

1、死亡や病気などの万が一に経済的に備える(保障)
2、資産運用として将来の為の貯蓄に対応する(積立)

しかし、2の積立についての側面は昨今のマイナス金利下の状況においては限りなく薄まってきていると言わざるを得ません。

こちらのブログカテゴリー(家計の埋蔵金)で実際の生命保険の利回りを算出して解説していますのでご覧ください。

生命保険の提案を受けるとき、しばしば営業マンにこのように説明されることがあります。

「保障を持つのと同時に資産運用もできるんです」

初心者の方からすればとても良い商品に聞こえるかもしれませんが、生命保険の保障に貯蓄性機能もつけることは利回りの低い金融商品に強制的に加入させられていると同じとも考えられます。
あなたの目的は本当にその保険商品で達成できますか?

あなたがもし、「お金を増やしたい・貯めたい」という目的の為に生命保険(終身保険・養老保険・個人年金保険・学資保険・変額保険など)を検討しているなら、「お金を増やしたい・貯めたい」という目的に合った金融商品は本当に生命保険なのか?
株や投資信託などの「他の金融商品」も同時に比較検討してみることをおすすめします。

そして、保障が必要で生命保険を検討している方は、「掛け捨て」と聞くと損をするように感じるかもしれませんが貯蓄性の低い掛け捨ての生命保険(定期保険や収入保障保険)と、掛け捨てを選ぶことで生まれた余裕資金を投資で運用することを検討してみてください。

また、現在積立て型の保険に加入している方で保険料が負担で投資に回せる資金がないと思っている方は「掛け捨ての保険+資産運用」に乗り換えた場合のシミュレーションをしてみてください。

こちらのブログカテゴリー(個別相談事例)では実際のお客様の相談事例も紹介しています。

金融商品としての生命保険の性質を理解し、あなたに合った「保障をもつこと」と「資産を増やすこと」のバランスを上手にとれる金融商品を選べるようになっていきましょう。

Writer

倉石 優子

倉石 優子

国内の最大手の生命保険会社にて10年間、たくさんのお客様を笑顔にしてきた実績を持つ。しかしアールトラストの海外投資セミナーで、自身が扱ってきた商品を遥かに凌ぐ「優位性のある投資手法」に大きな衝撃を受けアールトラストに入社。今では自身が感動した〝がんばらないお金の増やし方〟を〝お金初心者様〟に伝えるべく日々コンサルをしている。
趣味は、ミシンで洋服や小物を作ることとバスケをすること。